麗人ヒロイン『変身』　４



戦闘は佳境を迎えていた。
追い詰められていた政府に敵対する組織にとっては、これが最後の闘いといってもいい。

ついに全勢力を投入した激しい戦闘が始まったのだ。

この日の戦闘の過熱化した報道はマスコミによって発信された。
政府が報道を規制できぬほどに闘いは大規模なものになっていたのだ。


「変身」 　　 「変身」


いよいよ雌雄を決する時…その覚悟で、桂子とひろは同時に唱えた。





ふたりの麗人ヒロインによる激しい戦い…
人々は息をのみ、映し出されるその闘いを見つめている…

互いに距離をおいての戦は、やはり実践空手有段者の桂子が優勢であった。

バンチやキックを何度も繰り出す桂子
次第にひろは防戦一方になっていった。






前回同様、ひろが倒れたところを桂子が組み伏した。
しかし…　それがひろの狙いであった。

受け身に徹していたひろの体力はまだ温存されていたのだ。
互いに組み合う事が今回のひろの戦略だった。


「あっ! 」


気付いたときには、桂子はひろによって吊り天井固めにされていた。
吊り天井固め…プロレス技、ロメロスペシャルである。

いかに実践空手有段者の桂子であっても、組んでしまえば元女子レスリング五輪強化選手のひろのものだった。
それは、対麗人ヒロイン用に訓練を重ねた必殺技であった。


「こんなこと…このわたくしが…」

「あなたの負けよ。もう逃れられないわ…」


「ああ…。あの麗人ヒロインがやられている」
「このままじゃ、いったい　ど…どうなってしまうんだ。」
「負けるな。がんばってくれ　麗人ヒロイン！」

人々はその状況に、声援を送るしかない。




ひろが掛けたロメロスペシャルから桂子は逃れられないのだ。
がっちりと決まってしまったそれは、どんなにあがいても無駄だった。

桂子は手足を固定され天を仰いだ状態のまま、強制的に大股開きにされた上、弓なりに体を反らされ続けた。


「うっ…がががががが…」


次第に桂子の腕、肩、背中を激しい苦痛が襲う。

すでにふたりの戦闘が始まってから３０分…


ビビビビビビビビ…


ついに両者の身体に異変が生じはじめた。

桂子が最も恐れていたもの
戦闘用スーツの解除、その初期の段階がはじまったのだ…


(ああっ 　そんな…　このままでは…)


桂子とひろの身体にビビビビビビビビ…と警告の衝撃が続く。


「離して…、ああ、離しなさい！」


さすがの麗人ヒロイン桂子も焦り、取り乱しはじめていた。


「だ、だめよ…絶対に外さない…」


自身も警告の衝撃を受け続けているひろであったが、攻撃の手は緩めない。


そしてついに

ビビ…ビビビ！！


「あ！」 　　　 「あ！」


ふたりの身体を一層激しい衝撃が襲った瞬間…

戦闘用スーツ解除の初期段階、その時が訪れたのだ。






戦闘が続く爆炎の中…多くの人々が固唾をのんで見つめる先
そこには戦闘用スーツの一部が解除されたまま戦いつづけるふたりの姿があった。


(ああっ もうだめよ…　このままでは…全部解除されちゃう…)


解除とは…全裸？！(貧乳)…を晒すという屈辱である。
それだけは回避しなければ…と、喘ぐ桂子なのであった…



　


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