全裸のまま、闘い続ける事など２６歳の麗人にできるわけがない。
桂子は戦場の街頭スクリーンに絶え間なく映し出されている映像に耐えられず技を解き、ひろを放り投げた。
…カランっ…
激しく放り出されたひろ。
その衝撃で耳元から命令服従のための洗脳装置が路上へと転げ落ちた。
「うっ…うぅ…」
投げ飛ばされた衝撃と相まって、首領の冷徹な声による洗脳から霧が晴れるように、ひろの頭の中は鮮明になっていく。
…ああ……わたくし…
全ての事態を認識したひろは、自分の姿の恥ずかしさに裸体を隠すようにしながら、…桂子の前に突っ伏した。
「桂子さん…ごめんなさい」
ひろを投げ飛ばした反動から桂子も仰向けに倒れこんでしまっていた。
「なっ、なに！」
「いったい …どうしたというの」
極秘理に進められていた戦闘用スーツの開発の経過や、ひろの存在…
ふたりの麗人ヒロイン… の事…
ひろの態度の急変を理解できずにいるそんな桂子に、詫びるようにひろは全ての事を話したのだ…
「そんなっ…なんて、事！」
ひろの言葉でその全てを知り、驚く桂子……
激しい戦闘からくる苦痛と疲労に襲われ、呆然と路上に座り込むふたりである。
その時……………
銃を構えた敵の首領がふたりの前に現れた。
「ふんっ、全部知られてしまったのでは仕方ない。」
「ひろ…。君の役目もここまでだ。」
「麗人ヒロイン。二人とも、大人しくしろ。」
「ふふふ。変身の解けた、お前達など…これで充分だ…」
そう告げた敵の首領の、銃口が桂子とひろ、ふたりに向けられた……
