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-----------　　連　　載　-----------

（だ、だめなのよ‥‥）
優子の頭の中に高校生の頃の男友達の何気ない一言が思いだされる。
その言葉が優子の最大のコンプレックスを呼び覚ます。
そのコンプレックスは誰も知らない、誰にも知られてはならない優子の恥ずかしい秘密である。
今も真一の視線をくぎ付けにしている、ブラジャーを大きく盛り上げている胸の隆起。
しかし、本当のところは‥‥Ａカップのブラジャーでさえ満たす事ができない、
まったく貧しい胸の隆起しか持たない、まさに貧乳なのである。
なまじほかに欠点がなく、完璧ともいえるスタイルの優子であるだけに、
そのことは、よけいに耐えがたいコンプレックスとして長い間彼女を悩ませつづけている。
高校生の頃の優子は特にそのことに悩んでおり、なによりもその話題がいやだった。
他の女友達は成長期にもあることから、その部分はどんどん成長をつづけていく。
しかし優子にはその兆しさえなかった。
その貧しい膨らみを目立たないように隠しつづけていたものの、
男子学生も女子学生のその事は最大の興味であったので、
親しかった男友達が、制服ごしに優子の胸を見ながら、
「それにしても、優子さんてペチャパイだね」
といった何気ない言葉が今でも胸に深く突き刺さっているのだ。
当時から並外れた美貌の持ち主であった優子は、
美しさへの羨望と賞賛以外の言葉を異性から浴びたのははじめての事だった。
それだけに優子のショックは計り知れないものであったのだ。

（恥辱の令嬢第四章残虐令嬢優子の秘密より）

優子の貧乳日記

「恥辱の令嬢」で残虐性を見せた「優子」の素顔は
クィーンと呼ばれた美貌のお嬢様の過去に迫る
～純粋だった高校生の頃の３年間の日記を公開～

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その１～高校１年の春～　（２００６年１月１６日掲載）
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いよいよ私　優子の高校生活のスタートである。
入学式以来、男の子達の視線が熱い。
いつも私のところに「男の子達の視線が集まってる」って友達が言っている。
「優子の美貌じゃ当然ね」
「そうそう、優子ってちょっときつめの感じがする美人なのよね」
「うん。その上、綺麗な顔の下に、こんなにバランスの取れたスタイルなんですもの」
なんて友達が言っていた。

たしかに、綺麗ねとかスタイルいいわねってよく友達に言われるけど、
まだ交際を申し込まれたことはない。
「あんまり美しすぎて言い寄る勇気のある男の子なんていないのよ」なんていわれる。
けれど男の子の友達はたくさんいる。
「それは、優子さんが、明るくて社交的な性格だからだよ」ってよく男の子達にもいわれる。

とにかく、これから三年間、楽しい高校生活をおくらなくては。
やっぱり、素敵な彼もつくりたい。

でも、実はひとつだけ、優子には唯一にして最大のコンブレックスがある。
そのコンブレックスは誰も知らない、誰にも知られたくない私だけのたったひとつの秘密なのである。

スタイルがいいなんていわれてるけど‥
実は…何を隠そう、私　優子は‥‥貧乳なのだ。絶対にこれだけは内緒なのである。

（つづく）

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その２～高校１年の夏～　（２００６年１月３０日掲載）
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高校生になってはじめての夏。夏といえば、海、プール、‥そして水着。
開放的で、恋の芽生える季節‥、でも私、優子は苦手なのだ。
なぜかって、それは、夏は薄着になる、水着になる‥からなのである。

この時期、女性達は男の子達の視線を気にして、痩せる事に躍起になる。
しかし、私からしてみると痩せるよりなにより、胸をどうにかしたいのである。
そう、実は…何を隠そう、私　優子は貧乳なのだ。‥内緒だけれど‥。
何といってもＡＡカップ！はっきりいってぺったんこなのだもの。マジメに悩んでいるのだ。

ところで‥
私。この開放的な季節をむかえる少し前に
ついに‥男の子から交際を申し込まれたのだ。
入学以来、みんなが憧れてる素敵な男性に、私も密かに恋心を抱いていたのだが、
なんと‥その彼から告白されたのである。
まるで夢心地、もちろん返事はＯＫ、そのとっても素敵な彼とつき合うことになった。

男の子と本格的につき合うのは初めての私。
この日、憧れてた素敵な男性と付き合い始めて夢心地の私にピンチが‥
その愛しい彼からプールに誘われたのである。
「ど、どうしよう」と焦り、「なんで‥プールなの」と内心思った。
「この貧乳を‥どうしよう」ということが真っ先に頭に浮かんだから。
断らないと‥けれど、夏ですし‥プールに行く位は普通の事、断ったらおかしいし‥
結局、相手は憧れの彼、ということで‥やっぱり断りきれなかったのである。

約束の日。夏の青空、照りつける太陽の下。
もうこうなれば開放的に彼に私のＡＡカップの貧乳を見せ付けるしかない‥
でも、やっぱり、いざとなると、この貧乳は‥あまりにも。
で、私は偽乳を水着のカップに仕込み、知らん顔して彼の前に立つ事にしたのである。
彼は、私の水着姿、そのスタイルに（偽乳とも知らず）まんざらでもない様子だった。
（胸、ばれてないわよね‥）そんな彼の様子に私はホッと満足して、
彼といっしょに泳いだり、素敵な夏を楽しんでいた。

ところがやっぱり、そんないい事ばかりは続かない、
彼とプールの中で戯れている内に私の偽乳（片乳）が、どこかへ行ってしまったのである。
（やっぱりぺったんこの胸をＣカップにまで詰め物したのは無理があった‥）
しばらくしてそれに気づいた私。
（もしかして彼に見られた‥）と焦り、
明らかに左右違う胸を腕で隠し、プールに浸かりながらまわりをさがす私。

「何だこれぇ？」
「どれどれ、おいっ、これ乳パットだぜ」
何と私の偽乳、近くにいた男の子達が持っているではないか。
「だれだぁ、こんなとこにこんな分厚いパット落としたヤツは」
そして、「ははは」と男の子達の笑い声。
（‥そんな大声でいわないで‥）
真っ赤になった私。それに気づかれないようにその場から逃げるように泳いでいった。
そしてプールから上がると、胸を隠して、あわてて更衣室へ‥。
そんな私の様子に‥何も言わなかったけれど、彼は不審に思ったに違いない。
それが理由なのかはわからないけれど、
夏の終わりとともに、彼との短かいお付き合いも終わったのである。

神様‥見栄なんか張った私がいけなかったのですか‥。
‥そんな夏の日の出来事だった。

（つづく）

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その３～高校１年の秋～　（２００６年２月１３日掲載）
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実は…何を隠そう、私　優子は貧乳なのだ。
（何を今更っていわないで…)

そんな私のような女性のため？
下着売り場には、巨乳になれる（私から言えば貧乳が人並みに見える）
画期的なブラジャーがたくさん並んでいるのだ。
通販のカタログだって、すごい。
集めて寄せて上げるなんて当たり前で、３層の厚みのパット入りなんていう
寄せてあげるもの自体がない貧乳でもなんとかしてしまう、強力パット入りの
私のために存在しているような嬉しいブラ達まであるのだ。

この秋、そんな神秘的なブラジャーを研究した私
そして‥、自分にフィットしそうな分厚いボリームアップパット入りのものを手に入れたのである。
Ａカップ（優子は本当はＡＡカップだが‥）をＣカップへと大変身させる偽乳ブラ。

あの、夏の偽乳事件からやっと立ち直りはじめた今日この頃。
明日へ向かって明るく生きていくために
ついに手に入れた、そんな偽乳ブラジャーを手に部屋の中でひとり微笑む私。

そして‥、ドキドキを抑え、着けてみる。
すると‥あああ！！何てことなのですか！
考えられない、なんと‥私の貧乳が、すごく立派な胸に見えるのである！
自分に胸のふくらみがはじめて出来たという感動。大満足。
そして、さらにその上からそんな胸の膨らみが目立つぴっちりしたセーターを着る私。
どうしても一度やってみたかった憧れの格好なのだ。
凄い。私、貧乳の優子が、魅力的な乳を持つ素敵な女性に変身したのである。
私、もう嬉しくて、そのままの格好で外出する事に‥。

ひとり、街へ出た私が、
大きく膨らんでいるセーターの胸の部分を気にしながら本屋で雑誌をめくっていると…
「あ、優子さんじゃないか！久しぶりだね。」と声を掛けられた。
そこには中学の頃の同級生、当時ちょっと想いを寄せていた事がある男の子がいた。
今日の私は自分の豊胸にご機嫌で、
「あらっ、久しぶりね。元気だった。」
と自然と彼に笑顔で返事をしていた。
そんな私の返事に気をよくしたのか、彼は私を誘っていっしょにコーヒーなど‥
卒業してから会ったのははじめてだったので懐かしい話しとか、
今どうしてるのなどと話をして、楽しいひとときを過ごしていた。

ん！　しばらくして彼の視線が気になると、その目線は私の胸に…
（えっ！　やっぱりこれって不自然なの？　偽乳だって‥ばれたっ。）
一瞬ドキッとした私、でもそんな訳ない。
しばらく見ないうちに胸、大きくなったなぁと思って感動して見ているのかも‥
そう思い直し、彼の視線に気づかない振りをして、話しを続けていた。

なのに！！　まさかそんな事が‥
『むんずっ』
何を思ったのか、回りの席に誰も居ない瞬間を狙って、彼、私の胸を掴んだのだ。
「うわわっ！　なにするのっ！！」
分厚いパットを仕込んだブラの胸を掴まれて、あわてて彼の手を払いのける私。
実際、彼の手の感触は本物の胸には全然届いていないのだが‥。

「やっぱり！　優子さん。ははは‥、それ偽乳じゃないか。」
悪びれずに小声でそういいながら笑う彼。
すべては最初からばれていたのだった。
「なんて事するの‥ばかぁ」
周りの目を気にしながら、真っ赤になって訴える私。
いくら偽乳ってわかったからって、気になったからって、女の子の胸をいきなり掴むなんて。
その上、偽乳だって笑うなんて。ひどい‥。

「ごめん、ごめん。つい。」と笑顔で誤る彼を残して、店から飛び出した私。
生まれてはじめて胸の膨らみの感覚を味わっていたさっきまでの幸福感はどこへやら
恥ずかしさに身体がワナワナ震え、涙が出そうだった。

でも、久しぶりに会った彼でさえ偽乳ってわかっちゃうって事？
‥やっぱり学校へしていくのは無理！　やめておこう。

（つづく）

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その４～高校１年の冬～　（２００６年２月２８日掲載）
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実は…何を隠そう、私　優子は貧乳なのだ。
(えっ？！もうわかったですって…)

少しも成長しないので本当に悩んでいる。
今日は学校でいやな事があった。
親しかった男友達が、制服ごしに私の胸を見ながら、
「それにしても、優子さんてペチャパイだね」
と何気なく言ったのだ。
ガーン！
なんでそんなこというの…
そんな事、自分が一番わかっているのに。
厚着の季節だからって油断していた私がばかだった。すごくショック。
そんな何気ない言葉が、胸に深く突き刺さっているのだ。

で、今日は、そのショックから立ち直るべく？　ブラジャーを買いに行った。
さぁさぁ、可愛いＡカップのブラジャーはどこかしらって‥えっ！
なんなのですか？　あのカップの大きさは。ブラジャーのカップってあんなに大きかっただろうか。
ブラジャーを付けはじめた頃買いにいった時、目にしたものは、レモン型のパッド（実は今も着用中‥）。
レモンの形をしたおっぱい専用パッドで、それを胸の下のほうにあてがって、上げ底にするわけである。

貧乳女性のささやかな転身のための道具で‥、そのパッドだってこんなに悪どくはない！
本当にただ、上げ底という感じだけだったのに。
偽乳ブラって貧乳の人が人並みになれる為のはずのものじゃないの‥
ＣとかＥとかのカップまであるこれらは‥、おっぱいの半分以上が偽乳ではないですか？

もしＣカップの人が、こんなブラジャーを着けていたら間違いなく見かけはＥカップになる。
なんでそこまでする必要があるのだろうか。
Ｃカップの人が、いくら見かけをＥカップにしたところで所詮ＣはＣなのである。
っていうか私に言わせれば、Ｃカップってもう充分でしょう（どうせ私はＡＡカップです）‥。
それで、もし男の子とそのようなことになった時は
「なにこれっ、上げ底かよ」と思われるのではないのかなぁ。

ここまで、おっぱいを大きく見せようとするのって‥。
本物の巨乳だと、走るとおっぱい揺れて痛い（‥らしい）し、着れる服だって限定されるはずですし、
得することがあるとすればおっぱい好きの男の子たちが寄って来る事くらいなのでは？
そんな、巨乳が目当ての男の子達で、上げ底の女性たちは満足なのだろうか。

それじゃ、私は‥どうなのだろう、上げ底でないものを買う？
うっ‥、私はただ、あまりに貧弱なこの胸を‥って、それってやっぱり一緒でしょうか。
こんな事考えてたら頭が混乱して‥ブラジャーを買わずに帰ってきてしまった。
私‥、いったい今日、何しに行ったのだろう…。

（つづく）

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その５～高校２年の春～　（２００６年３月１２日掲載）
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今年ももうすぐ‥私の嫌いな夏がやってくる。
実は…何を隠そう、私　優子は貧乳なのだ。(ええ！それが理由です…)

夏は、女性達はみんな、薄着になり肌の露出が多くなる。
近頃は肌だけにとどまらず下着まで露出している。
アウター化したキャミソール、スリップドレスといった下着一枚のような格好をしているし、
見せるブラとかいってブラまで丸出しで歩いているのも多く見かける。

またまた、ブラジャーの話になってしまうのだが‥
下着のショップに行くと、なるほど、見せる下着が流行っているらしく、
綺麗なブラジャーが店頭に並んでいる。
このブラジャー達、美しいバストラインを形作り、手にとってみると堅いのだ。
見事に形づくられた堅いカップが、ファッショナブルな柄の下に隠されているのである。

そして今や、ブラジャーは寄せて上げるタイプが主流になり、
裏地に左右のお肉を寄せて集める特殊な裏地付きのものが当たり前になっている。
だけど‥悲しい事にこの寄せて上げるタイプのもの、胸板の薄い私には不向きなのである。
たしかに無理やりに少しだけ谷間はできるが、そもそも寄せて上げるもの自体がないのだから、
見た目にも、なんだか無理やり独立したおっぱいをくっつけているような感じになるのである。

そこで、最近は精巧なパット付きのブラを愛用し始めた。つまり、偽乳っていうものである。
これはすごい。「ＡＡ」なのに、パット付きのブラジャーを着用すると軽く「Ｂ」にはなる。

更に今回購入したのは最強ともいえる偽乳。
ぷよぷよ（これが触ると気持ちいい‥）のオイルパットが付いたもの。
私の場合、ブラジャーの中身の３分の２以上が偽物、オイルパットなのである。
サイズは［Ｃ］を‥。それでも私にとっては超巨乳の世界。
そう、無い肉を無理に寄せなくても、こんなにいいものがあるのだ。

それにしても、この手のものを、どれくらいの女性達が着用しているのか‥。
巨乳って、あんがい虚乳なのかもしれない‥。
私の場合は、Ｃカップ位の偽乳だから、巨乳とはいえない可愛いもの。
だから‥虚乳でも許してあげて下さい。

（つづく）

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その６～高校２年の夏～　（２００６年３月２７日掲載）
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実は…何を隠そう、私　優子は貧乳なのだ。(えっ! しつこいって…)
私、夏をむかえて水着売り場へ‥。
するとそこには、とっても魅力的な新製品の水着達が並んでいた。
強力なワイヤーやパットが入ったもの、そしてなんと空気が入ったものなどなど‥
私のような貧乳女性の為に考えられたような、そんな水着達である。
私は水着売り場で、どれが一番似合う（貧乳が素敵な乳になる）水着なのかを品定め。
そして、見つけた一つを手にレジヘ…そこからこの夏の話ははじまるのだ。

去年のプールでの偽乳事件からちょうど一年が過ぎた、夏の出来事である。
私が手に入れたのは大きなパット入り（やっぱりこれだっ）の可愛いビキニ。
そして、新しく付き合い始めたばかりの彼とプールへと行ったのだ。

プールには照り付ける真夏の太陽、開放的な気分のふたり、
そして、美しい形につくられた私の素敵な胸に彼は大満足のようで‥。
去年のような失敗はもうしない。そのために用意した水着、完璧な状況。
ずっとずっと、彼と二人、プールの中で戯れて、
そんな幸せなひとときを満喫していた。

夢中で長時間プールにつかり過ぎた私達、さすがにちょっと寒くなってきた。
そして‥、彼といっしょに、少し震えながらプールから上がろうとした次の瞬間‥
ずるりんっ（うそっ‥がぁぁん‥まさか‥そんな‥事が‥）
私の水着のパットが‥‥、なんと、大量の水を含んだ重さに耐えきれずにずり落ちたのである。

「えっ‥」
彼の顔が一瞬固まった。
「はっはははははは」
そして、大爆笑。
「………。」
プールサイドでうずくまりながら悲しみで一杯のまま無言の私。
水着のパットの部分からは滴がポタリ、ポタリと滴れている。
彼の方をちらりと気にすると、それを見ていた彼が
「はははは、そんな大きなパット入れてるからだよ。」
「‥‥」
「優子さん、美人なんだから、見栄なんかはらないで、貧乳のままでもいいのに‥ははは」
（‥ひ、貧乳って‥やっぱり‥し‥しっかり‥‥見られた‥）

それにしても、貧乳だなんてそんなにはっきり言わないで、一番気にしてるのに‥
見栄を張るのは悪いけれど、この位はいいでしょう‥、それなのにそんなに笑うなんて‥
ああ‥、パット入りの水着とともに終わった、真夏の恋の出来事であった…。

（つづく）

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その７～高校２年の秋～　（２００６年４月１０日掲載）
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実は…何を隠そう、私　優子は貧乳なのだ。(もう！知ってるって…)
最近、私の偽乳技術が向上したようで、こんな事件にまきこまれてしまった。

日曜日、友達と映画を観に行った。
映画はあまり面白くなかったのだけれど‥、そんな事よりその帰り道で酷いめにあった。
友達と別れて、ひとりで駅から帰る途中。
後から何かが近づいてくる気配、そしてエンジンの音がして‥
「危ないかも（もしかして、バック取られるかも）」と思ったので、
バックの紐をちゃんとつかんで身構えた。
そうしたら減速して近づいてきたバイクに載った男が、追い抜きざまに、
「ぐにっ、ぐにゅ」
なんと‥、偽乳だとも知らずに、私のおっぱいを揉んでいったのだ…。
私は‥‥、きょとん！！
あまりにびっくりして‥その瞬間は何も出来ず‥立ちつくす私。

なんで‥、あんな状況で、片手運転して‥おっぱい揉むなんて‥、何したかったの‥。
この胸が、けっこう立派に見えたのか。
日々向上する、私の偽乳工作技術のせいで本物だと思ったのだろうか。
貧乳のまま、偽乳付けてなかったらこんな危ないめには、あわなかったのかも知れない。
でも‥、後ろからだったから。どっちにしても偽乳とは気付かなかったはずですし…、
おっぱい、「ぐにっ、ぐにゅ」って揉むまでは…。　

今ごろ、あの痴漢どう思ってるのかなぁ、
「貧乳娘！　偽乳揉まされた‥騙された。」なんて思われてるの‥。
なんで私、痴漢にあってまでこんな事、心配してるのだろう‥‥ああ‥。

（つづく）

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その８～高校２年の冬～　（２００６年４月２４日掲載）
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実は…何を隠そう、私　優子はあいかわらず貧乳なのだ。(もう！いいっ…)
胸っていつごろまで成長するのでしょうか。

今日学校で身体測定があった。
私のもっともきらいな時間である。
そこで私‥、びっくり。
去年まで私と同じように貧乳で、密かに私の中で貧乳同盟を結んでいた同級生たち。
ねぇっ、いつのまにそんなに大きくなったの‥‥っていうくらい成長している。
私と同じＡＡカップだった友達まで、なんとＢカップくらいまでにはなっている。
いっしょうけんめい密かに乳の小さい娘を、自分の貧乳を必死にかくしながら探した。
‥‥ショック！
なんと‥いないのである。大きい娘のはすごく、大きい。
なんで貴方‥Ｆカップ以上もあるのっ‥ていう感じで。
やっとひとりだけ小さそうなのを見つけたけれど‥それでも私の負け！
しっかりＡカップ分以上の膨らみはあった。
全く膨らみのないぺったんたんのＡＡカップはさすがに私だけ‥。
みんながあれだけ成長してるのだから私もそのうちには‥と自分を慰めてみる。
でも‥、胸を除けば、私、優子のスタイルは抜群、だから余計に、もう成長しないような気がする。

いったい何歳位までおっぱいは成長するものなのでしょう。
セブンテーンの私には今はそれが最大の悩みなのである。
この貧乳‥、もう完璧なコンプレックスになっている。
こそこそと人目から逃れて、その場を立ち去った私、優子であった。

（つづく）

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その９～高校３年の春～　（２００６年５月１日掲載）
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ハッピーバースディ‥なのである。
この春でついに私、優子も１８歳。大人の女性って感じですか。
でも実は…何を隠そう、私　優子はあいかわらず貧乳なのだ。(も…もう！いいっ…)
それもあいかわらずのぺったんたん。少しは膨らんで下さい、いいかげん。
また夏がくるっていうのに‥‥。そう、今年こそは新しい彼と海へいくのだから。

そこで私の考えた作戦は‥
夏までに少しづつ偽乳ブラを大きくしていくのである。
まるでおっぱいが少しづつ成長しているように。
だって、夏になって海にいったときいきなり巨乳だったら偽乳がばればれですから。
実は去年の冬から着実にこの作戦は進行している‥。
いまでは、優子もすっかりＣカップ。
友達も「あれっ優子。知らないあいだに胸おおきくなったね」って
いい感じ、ばれてない、ばれてない。作戦成功。
実は、今でもＣカップをつくるためにすでに三分の二以上が詰物、パットなのである。
これだけは友達にも絶対に‥秘密なのだ。
で、新しい彼とも付き合い始めたのだけれど。
彼もこのＣカップの胸は、気に入ってるみたい。

今年こそ、絶対にごまかしつづけて、彼と一緒に楽しい海物語をつくるのである。
そうそう、夏までにはＥカップにするつもり‥やっぱり水着のときに見栄えがいいから‥。
それにしても生乳は一向に成長しない。もうさすがにあきらめた。
こうなったら見た目がすべて。偽乳人生歩んでやる‥そんな思いの私、優子なのである。

（つづく）

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その１０～高校３年の夏～　（２００６年５月１５日掲載）
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ついにきました１８の夏。
さすがに彼とふたりだけで海にいくのはちょっと。
で、友達とその彼達もいっしょに‥結局男女８人で海にいった。
私はといえば計画どおり、絶対ばれない豊胸パットを胸にしのばせそれが完璧に収まる水着を購入。
実は…何を隠そう、私　優子は貧乳なのだ。(無言…)
同じ悩みの娘って多いみたいで今は貧乳にはありがたい水着がいっぱいあるのである。
やっぱり、段々に大きくして見せた作戦が功を奏して私の水着姿をみても誰も偽乳とは疑ってない。
こういうときはこそこそせずに自信をもってた方が逆にいい。
などということを思っていたのだけれど、こんな悲劇が起きるとは‥。
ここからは悲しい物語のはじまりである。

彼といっしょの海、男の子と海にいくのははじめての私、朝からるんるんだった。
水着に着替えてさあ海へ。
私はＥカップ（偽乳）の水着姿で自信満々で彼の前へ。
私、優子はスタイルはいいのだ。（偽乳さえつければ）最高のナイスバディ。
「すごいよ。優子さん。かっこいい。」
彼は予想通りの反応。その反応に心の中で（‥よしよし‥）と思いながら、
「そう、それほどでも‥はずかしいわっ」と私。
自分でいうのもなんなのだが、たしかに周りを見渡しても私が最高のナイスバディ。
ウエストが細い分胸だって私が一番大きく見える。
彼はそんな私に惚れ直したみたいで‥。
午前中は楽しい至福のときが流れていった。

そんな幸せな気分に自分が偽乳であることさえ忘れていた私。
そして午後は海が少し荒れてきた。
波の力をあなどっていた私。それがいけなかった‥。
ひきつづき午前中より大きくなった波の中で楽しく戯れていた。
その時予期せぬほどの大波が‥
ザブーン！　私は波にのまれて海の中へ。
本当に溺れるかと思った。とにかく必死で水面をめざした。
なんとか九死に一生を得たと言った感じでやっとの思いで水面へ‥
本当に苦しかった。水もたくさん飲んだ。
（よかった無事で）と思いながらへとへとになりつつみんなが待つ海辺へたどりついた。

「すごい波だった。死ぬかと思ったわ」と笑顔で海からでた私はみんなの方へと近づいた。
とその時の友達のひと言
「ゆっ、優子！むっ‥胸！」
なにいってるのこの娘は‥いまさらわたしの巨乳に感心するなんて‥
（ま‥まさか‥！）と急にいやな予感がよぎる‥
そして‥自分の胸を見た私
「えっ‥‥‥！」

そこには胸から捲れあがった水着が‥
こともあろうに海辺の皆んなにむかって右乳をほうりだした姿があった。
そう‥。波の力か、必死になって泳ぎつづけたからか、
私の水着はめくれ上がり右乳の豊胸パットは海に飲み込まれていたのである。
なのに‥悲しいことに左のパットは水着の中に収まって変わらずにＥカップを形作っていたのである。
でもさすがにその膨らみはかなり上の方へと偏っていた。
「‥‥‥」
全員しばし絶句。
彼はというとあっけにとられた顔で私のＡＡカップの生右乳に
‥眼が点となっていた。

それから先は悲惨であった。当然彼も私も家に帰りつくまで無言‥
友達も私の事を気遣ってかひと事もその話題にはふれなかった。
１８の夏。最高の夏になるはずだった夏。最悪の中ですぎていった。

（つづく）

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その１１～高校３年の秋～　（２００６年５月２７日掲載）
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あの夏の日の出来事から‥、立ち直れないでいる私‥。
幸福の絶頂だったのに‥あんな悲劇が起きるとは‥。すごく落ち込んでいるのだ‥。
実は…何を隠そう、私　優子は貧乳なのだ。(そう‥それが原因です…)
私の最大のコンプレックス‥それは‥胸が小さいこと。
ホントに、ホントに小さい‥

最近は「微乳」なんていう優しい言い方もあるけれど
悲しいけれど‥。私の場合、「貧乳」という言い方が相応しい。
なんだか気持ちが落ち込んでるせいか‥以前よりも、小さくなったようにさえ感じる。
小さいおっぱいが更に小さくなってしまった‥ような‥。

あの後、いっしょに海にいった友達に慰められた。
彼女の場合は貧乳の娘を見て「スタイル良くていいなぁ」と思っているとのこと。
確かに、貧乳の娘は痩せているというイメージはあるかも‥
おっぱいが大きい場合はそれだけで目立っちゃうから服とかも限定されそうですし‥
痩せていて、胸が並以下というのが一番自由が効くんじゃないかなぁ‥とか
ある下着会社の調査では、２０代の女性でも、Ａカップ、もしくはＡＡカップの女性は
５９％とダントツに多いことがわかっているなんてことも‥言ってくれたけれど
本当？‥
でも‥そう言ってくれた彼女は‥れっきとした巨乳だから‥

海にいっしょにいった彼‥。本当に好きだった‥。
男の人は皆んな、大きなおっぱいが好きなのだ‥そう思ってしまう。
貧乳の自分は女性としての魅力に欠けていると思ってしまう。
だから‥彼に出会って、余計に自分の胸にコンプレックスを感じるようになった。
なのに‥あんな事があったのでは‥
あんなふうに、私、優子の貧乳を彼に見られてしまったのでは‥
あの後‥自然と、連絡をとる事もできなくなって‥‥

今‥、優子は限りなくＡＡに近いＡカップ。
できることなら、いっその事、豊胸手術とかまでしてみたいと思う程‥
胸が大きくなるサプリメントとかはどうなのだろう‥効き目あるのだろうか‥。

「巨乳」とまでは言わないので
せめて‥‥、人並みの大きさになりたい‥
そんなことをここのところ毎日、本当に悩んでいる私‥
これって‥かなり真剣な悩みなんだけど‥

（つづく）

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その１２～高校３年の冬～　（２００６年６月２日掲載）
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実は…何を隠そう、私　優子は貧乳なのだ。(また‥ですか‥)
もうクラスみんなが知ってることである。陰のあだ名は「偽乳‥貧乳‥」。
で、今日は一大決心をした。
私‥、優子は懲りずにこの春の大学生活から巨乳として生きていくことにした‥ってね。
でも豊胸手術なんてしない。やっぱり怖いから。
それよりインターネットですごいもの見つけたのである。それはなんと…

シリコン製の豊胸パット……である

なんてったって大きさが凄い。
直接胸にはりつけるとＦカップになるっていうじゃありませんか。
これで憧れの巨乳に大変身するのも夢じゃない。
偽乳ブラみたいにわざとらしくないし、触りごこちも本物そっくりらしい‥
ＡＡがＦになるなんて魔法のパットである。

なに事も中途半端がいけないって反省した。
Ｆカップの大っきいおっぱいが‥まるごと偽物なんて誰も思わないでしょって気付いたのである。
それに直接胸に貼り付けるからちょっとやそっとじゃずれないし、
もうぜったいにばれないようにするのである。
服の上から触られたぐらいならわからないっていうし。
パットをしっかりと包み込む綺麗なフルカップのブラジャーも見つけた。
ブラジャー姿でも大丈夫、わからないみたいである。
でも‥海にだけはもう二度と行かない。
だからもう誰にも生乳だけは見せないのである。新しい彼ができても…。

卒業したら、早速春休みの間に手に入れることにした。
大学の入学式が楽しみである。
わたしが貧乳だなんて誰も知らないし、
生まれ変わった新しい巨乳の私、優子がそこにいるのである。

追記

そして‥大学生活。入学式のときの皆の驚嘆と羨望の視線を私は今でも忘れない。
唯一最大のコンプレックスから開放されたすばらしい瞬間であった。
誰も知らない、誰にも知られてはいけない秘密‥を隠しつつ‥、
私、優子は巨乳として、皆の羨望の眼差しを浴びながら、楽しい大学生活を過ごしていくのだ‥。

（おわり）