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初夏の日。名門私立女子大。
ここは名門女子大の中でも良家の子女が多い。いわゆるお嬢様女子大としてよく知られている。
「立花ひろ」は紺のブレザーに身を包み、キャンパスを横切ると校門へと歩いていた。
ひろは１９歳。この女子大に通う清楚な美貌の一年生である。
父親は大手メーカーのオーナーで母は貴族からの血筋の名家の育ちであり、
ひとり娘のひろは、まさにお嬢様として、生まれた時から大切に育てられてきた。
ひろは美しい。その清楚な面影に初めて接した男達は心をうたれる。
お嬢様とはいってもお高く気取ったところもなく、どこかしこに幼いあどけなささえたたえている。
ひかえめで上品なひろであったが、そんなひろの美貌の噂は
すでに近くの大学の男達にまで届いていた。
しかし、彼女の気品とそのあまりの美しさに、言い寄る勇気のある男はおらず、
ひろは今だ異性との付き合いというものはしたことはなく、
したがって、処女の身体を大切に育ててきていた。
今日のひろはいつになく、うきうきした気分であった。
父の友人の子息で、名門大学に通う四年生、矢島真一との婚約が成立したのである。
ひろの通う女子大でも矢島真一の名は有名なほどの美男で、多くの女性達の憧れとなっている。
ひろは幼い頃から兄のように慕っていたスポーツマンで頭もよく
美男子の真一に恋心を抱いていたのだ。
真一が大学四年生になった事で、立花・矢島両家においてひろと真一との婚約がまとまったのである。
真一は大学を卒業したらひろの父の会社の跡をつぐ事となった。
尊敬している父に真一との婚約を打診されたとき、ひろは恥ずかしそうに顔を赤らめたが
内心はどきどきする胸の鼓動を抑える事がやっとで小さく頷いた。
父はそんなひろの姿をうれしそうに見つめて「おめでとう」と声を掛けてくれた。
ひろにとって真一は小さな頃からの唯一の憧れの男性であった。

今日の授業は全て終わり、この後は真一が立花家を訪れ婚約成立の挨拶にくる予定となっていた。
ひろは真一に会うのは２年ぶりである。憧れの真一に会える事を考えるとつい笑顔がこぼれてしまうのだった。
校門を出たところで、ひろは聞き覚えのある女性の声で呼びかけられた。
「ひろさん、ごきげんよう。こんなところで会うなんて、偶然ね。」
「あっ、優子さん。」
三谷優子が歩道際にとまった高級車の窓から顔を出しているのを見て、ひろは声を上げた。
優子は、ひろと同じ華道教室に通っている女性である。
学校で会う事などあまりなかったが同じ女子大の二年生でひろの先輩にあたる。
「これから帰るのでしょう。私も同じ方角だから、いっしょに行きましょうよ。どうぞ、お乗りなさい。」
「はっ、はい。でも、申し訳ないです。」
優子が車に乗っているのは初めてみた。
しかも運転席にはちょっと不良っぽい大学生らしい男性がいる。
どこかの金持ちの息子のようだ。前に一度優子といっしょにいるのを見かけたことがある。優子のボーイフレンドなのだろう。
何とはなしにためらっていると優子はドアを開いて助手席から降りると手招いた。
「遠慮することないわ。さあ、ひろさん。お乗りなさい。」
先輩にこう進められてはひろは断ることはできなかった。真一に会えるということもあり、早く家に帰りたい気持ちもあった。
「それではお言葉に甘えます。」
ひろは運転席の男性に会釈すると、優子とともに車の後部座席に乗り込んだ。ふたりが乗り込むと車はすぐに発進した。
運転席の優子のボーイフレンドらしい男性は体格がよく何となしに不吉で凶暴な雰囲気があり、ひろは身をすくめた。
「ひろさんとこんなふうにご一緒するなんて初めてね。でも相変わらず美しいわ。正門からでてくる姿がまぶしかったわ。
それになにか今日は特にすてきな感じがするわ。何かいいことでもあったの。」
「いやですわ。優子さん。そんなことおっしゃって。優子さんこそ今日も素敵です。」
たしかに優子もちょっときつめの感じがする美人である。
ひろが恥ずかしそうに優子の方を向いた瞬間、優子がスプレーのようなものをひろに吹き付けた。
ブシュと音がして強い匂いが鼻から吸いこまれた。
「あっ」
鼻の奥から強烈なショックを感じて小さな喘ぎをあげたひろは、急速に目の前が暗くなり、そして意識を失った。
「うまく行ったわ、勇次さん。」
優子は自分の膝の上に倒れこんだひろを見ながら、運転席の男に告げた。
「ＯＫ。それじゃフィアンセがまつ、マンションへ連れて行くとするか。」
男は斉藤勇次、真一と同じ大学の四年生である。
ハンドルをきると勇次がいくつか持っている隠れ家のひとつであるマンションの地下駐車場へと車を滑らせた。

肌に奇妙な感覚を感じてひろは意識を取り戻した。
いつの間にか車の中から見知らぬ部屋の中へとつれこまれていた。
「気がついた、ひろさん。」
優子が、奇妙な笑みを浮かべてひろを覗き込んだ。かたわらではさっき車を運転していた男が、ニタニタと笑いを浮かべている。
危うい予感を感じて
「こ、ここはどこです。私はどうしてここへ‥」
起き上がろうとするひろの肩を勇次が掌で押さえつけた。
「お嬢さん。貴女はこれからフィアンセと素敵な対面をするのさ。」
勇次が迫力のある声でいった。
「えっ、何を‥。いっ痛い。はなしてください。」
華奢な肩を押さえつけられ泣きそうな声を出した。どういうことなのかわからない。
しかし、自分がとても危険な状態に陥っていることだけは察せられた。
「お願いです。離してください。私、家に帰らなければ‥」
「だから、今、勇次さんが言ったでしょ。あなたは今、フィアンセの矢島さんとここで対面するのよ。この部屋でね。」
優子は怯える表情のひろにからかうような口調で言った。
ひろには優子の言っている意味がわからない。真一はもう、ひろの家にいるはずだ。
「さあ、まずはフィアンセに会う前に身体検査をしましょうね。」
優子の言葉が終わらぬうちに勇次がひろの上半身からブレザーをはぎとった。
「ああっ、いっいや、なにするんです‥」
「おとなしくするのよ。」
優子が厳しい声をだしひろの頬を平手で打ちすえた。
「ひっ！」
ひろは身をのけぞらせた。痛みよりも、生まれて初めて受けた暴力的な行為にショックを受けた。
「ひろさん！。覚悟を決めておとなしく命令に従いなさい。さからったりすると痛い思いをするだけよ。」
豹変した優子の態度を恐々と感じながら
「優子さん。どうして‥」
ひろはひきつった声をあげた。大きな綺麗な瞳には涙が滲んでいた。
勇次はかまわず今度はひろのブラウスに手をかけた。
「ああっ、いやです。やめてください、お願いです。あなたがたは、どうしてこんなひどいことをなさるの」
お嬢様育ちのひろの抵抗など勇次の力の前では役に立たない。勇次はひろを抱え上げると、ブラウスをむしりとってしまった。
あらわになったひろの素肌はしっとりときめが細かく、若々しい上品な清楚さがたちこめていた。
ブラウスから開放された、純白のレースのついたブラジャー。
華奢な肩の下には意外にもその清純さとは不釣合いなほどの大きな膨らみがある。
そこから覗く胸の谷間。ブラジャーから溢れ出そうな大きな膨らみ。
そのあまりに大きな膨らみは、清楚なひろにとっては日頃から恥ずかしく感じているもので、
きつめのブラジャーで締め付けて服の上から目立たないようにしているものだった。
「いゃ‥‥裸になるなんて、いやです。」
ひろは、上体をくねらせて抵抗する。やさしい線を描いてくびれたウエスト。
なだらかに起伏し中央に可愛らしい窪みをもった腹部の白白と輝く肌。ひろは羞恥で胸乳まで赤らめ、
うなだれた横顔を肩におしあてる。
「やめてください。お願い‥もう‥‥許してください。」
恐怖よりも羞恥が全身を包む。
勇次がスカートのファスナーを探る。ひろは腰をひねって避ける。
かまわずに勇次の指がファスナーを下げる。
「よして‥いや‥」
ひろは思わず片足を跳ね上げた。
「暴れるな！」
勇次に怒鳴られ、一瞬ひろがひるむと、勇次はこの時とばかりスカートに手をかけて一気に足元へひきおろした。
「ああ‥‥」ひろが喘ぐ。
ストッキングを透かして豊かに肉のついた腰部に張り付いているブラジャーとお揃いの純白のショーツが見えていた。
ひろは狼狽し引き締まった太腿をよじりあわせて、付け根の部分を隠そうとする。
勇次はストッキングの両脇へ手を差し入れると乱暴に撒きおろした。
「‥ああ‥だめ！」
ひろは恥じらいの声をはり上げた。
くびれたウエストから臀部の肉づきの悩ましさ、太腿もムチムチと優美で細く長い足へと美しいラインがつづいている。
「ああっ、ひどいわ‥‥ゆるして」
ベッドの上に投げ出されたひろの身体には純白のブラジャーとお揃いのショーツがまとわりついているだけとなった。
「まあ、ひろさん。なんて身体なの。清楚なお嬢様がこんな大きなバストを服の下に隠していたなんて‥。
でもね、貴女はその綺麗な下着もすぐに脱がなければならないのよ。」
優子はひろが巨乳なのは分かっていた。しかし、これほどとは‥。
あまりに美しい同姓の身体に嫉妬したように意地の悪い声で宣告した。
「お願いです。優子さん。もうやめて下さい。どうして私をこんな恥ずかしいめにあわせるのですか。」
大粒の涙をしたたらせながら、ひろは優子に哀れな声で訴えた。
「理由なんてないわ。貴女の美しさが嫉ましいだけ。
貴女が入学してから、近くの大学の男性達はみんなひろさんの噂でもちきりなの。
貴女が入学する前は私がクィーンだったのにね。」
「そっ、そんなこと‥」
「勇次さんも同じよ。矢島さんの陰でいつも惨めな思いをしていたの。
そんな二人が婚約したって聞いて、純情そうなあなた達を辱める事に二人で決めたのよ」
優子の言葉に、ひろははっとすると
「真一さん‥。真一さんになにをしたの。」
と真一にまで及んでいそうな危うい予感を感じて取り乱した。
「心配しなくても大丈夫よ。矢島さんなら隣の部屋にいるわ。ただし、身動きできないように縛り付けられているけれどね。」
「そ、そんな‥」
優子の非情な言葉を浴び、ひろは絶望に身をふるわせた。
まさに悪夢の中にとじこめられてしまった気分だった。
「お嬢様。さあ、下着も脱いで素っ裸になろうぜ。」