バイブレーターで責め抜かれて、快感の絶頂を極めたひろは、
信吾のうでの中で顔を伏せて快感の余韻に浸っていた。
しかし、そんな恥かしげな姿にさえも、優美な貴婦人としての風情が溢れていた。
信吾はそれが気に入らなかった。
その優美な美しい顔を屈辱に歪めさせなければ信吾の復讐は達成されないのだ。
人間としての尊厳まで奪うような、それ以上の辱めをひろにあたえたい。
そう考えた信吾は今度は絶頂をむかえてひくついている花びらの下に息づく菊の蕾をぐっと押し開いた。
「な、なにするんです。そんなところを、やめてっ」
と新たな責めにすっかり打ちひしがれておとなしくなっていたひろがふたたび大きく身悶える。
「ひろさん、なんて可憐な尻の穴なんだ。美人とは、こんなところまで優美なのか…」
「…いや、いやっ、そんなところ、おしりは…だめぇ。」
「ふふふっ、しかし、その優美な貴婦人づらも、これを使えばどうなるかな。」
そういいながら信吾はなにやら液体の入った小瓶を取り出すとひろに示す。
その液体は薬液であった。信吾が持っているその薬液は排泄作用を喚起させる効果のあるもので、
小量でもそれを初めて経験する者には刺激が強すぎるほどの効果のあるものだ。
「心配しなくてもいい。腹の中まで流し込むような本格的なものとは違うから…、
小量を尻の中に塗りつけて便意を喚起させるだけだ。
だから、みっともなくだらだらと液体塗れのものを垂れ流すような事にはならない。」
などとひろにむかってその液体の効果を細かく説明するのだ。
「ふふふっ。ひろさんのものは、どのくらい溜まっているかな。」
考えられないような恐ろしい言葉に震えるひろ。
便秘症のひろは…、実はもう何日もお通じがなかったのだ。
「いやよっ、いやっ、そんなもの…塗られたら……、わ、私はどうなってしまうの…」
「ふふふっ。皆んなの前で、おもしろい事がはじまる。もう二度と貴婦人づらはできないような…。」
「いやですっ、ゆるして…、他のことなら何でも…で、ですから、それだけは」
あまりに恐ろしいことをはじめようとする信吾に、身体を震るわせ必死になって哀願するひろ。
そんな怯えるひろを無視して、信吾は中指を薬液で濡らし、そっと菊花にあてていく。
「あっ」
ひろは火でも押し付けられたように激しく双臀を揺さぶって悲鳴をあげた。
火のでるような恥辱に、首をふり「嫌、嫌っ」とその部分をすぼめる。
信吾は指先でそこを探るように撫でては、少しずつ括約筋の抵抗を奪っていく。
信吾の指頭が蕾に侵入しだすと、ひろは脳天までくらくらとなる妖しい痺れに狼狽し
「ああっ」っと上体をひねって暴れる。
排泄作用にしか役立たぬはずの恥ずかしい場所から
信じられぬような快美感が汚辱感と同時にこみあがってきたのだ。
「どうだい、ひろさん。」
と信吾は蕾の内部に付着している物をさぐるかのように指で撫でる。
「ど、どうして、どうしてここまで私は嬲られなければならないの」
ひろは熱っぽくて鋭い感覚がそこから頭の芯にまで貫くと我を忘れて口走る。
いくら貴婦人のひろが身体を清潔にしているといっても、そんなところまでは洗えるはずはない。
そこは、普段から身体の隅々まで清潔に保っているひろが、
唯一清潔さを維持できない場所ともいえた。
ひろは信吾の人の道にはずれた責めにあって、
地獄に落ちたような絶望感を感じてわが身の不幸を呪うのだ。
「ううっ、いやァ…」
ひろが絶叫した。いよいよ、信吾の指が深々と蕾の奥まで入ってきたからであった。
「ひろさん。満足で胸がいっぱいだ。こうしてひろさんのお尻の穴の中までいたぶることができて。」
信吾は美しいものを辱め破壊していく弄虐に酔い痴れ、ひろの腸壁をぐるぐるとこねまわすのである。
硬い粘土にも似たものまではっきりと指先に感知され、まわりの壁がねっとりと指にまといついてくる。
「こ、怖い…怖いの。これから…、私は、ど、どうなってしまうの。…もう…よ、よしてっ」
ぶるぶる震えながら信吾の嬲りに堪えるひろ。
ひろはそこを信吾の指で刺激されただけで激しい便意に襲われてしまっていたのである。
その恥ずかしくも恐ろしい感覚に怯えるひろ。
信吾の指先に塗られた薬液による排泄作用の喚起の効果は大きく、
このような物を初めて経験するひろには刺激が強すぎるほどのものであったのだ。
じっとりと脂汗を滲ませてうろたえはじめたひろの異常を知って、信吾は指を引き抜いた。
血の気の失せた表情で、美しい眉根をしかめさせるひろは、
唇をわなわなと慄わせ、激しい便意にもじもじと双臀を揺さぶりだす。
「ひろさん、相当お腹の中に溜まっているらしい。」
そう、ひろの便意を見抜いた信吾はふたたび引き抜いた中指を薬液で濡らした。
「いっいゃっ。なんでも、なんでもないです。」
恥ずかしい便意を押し隠そうとするひろ。
「お、お願いです。縄を、縄をほどいてください。」
しかし、ついにひろはその激しい便意にたまらなくなって信吾に訴えた。
「縄をほどいたら、どうするんだい？」
「ト、トイレに…」
もう羞恥も見栄もかなぐり捨てていうひろの身悶えに、…なんと信吾は、
「その必要はない。ここで遠慮なく…していい。ちゃんと後始末はしてあげる。」
と男に持ってこさせた、洗面器をひろの小刻みに震わせている双臀の前に置くのだった。
「そ、そんなっ！！！」
「そんなこと、絶対できません…。ああっ、信吾さん。ひろの一生のお願い、トイレに行かせてっ。」
苦しそうに喘ぎあえぎ哀願するひろの肌は、
すでに何度目かの便意の波に襲われる辛さを表すかのように鳥肌立ち、
菊花はその筋肉が微妙な緊縮をみせている。
「なら、ひろさん。トイレに行って、どうしたいのか…いってみな。そうしたら、考えてあげてもいい。」
「うっうう、…なんて、こと…。そ、そんな事、いえない…いえません。」
便意を我慢している事を知られていることさえ恥ずかしい美貌の貴婦人が、そんな事をいえるわけがない。
「そうか、なら、ここですればいいさ。」
しかし、またまた、せっぱつまった便意の激しい波がひろを襲う。
眼の前におかれた洗面器を見るとひろはなんともいえぬ悲痛な表情になって信吾を見つめた。
「ああっだめっ、それだけはいやっ。うっ、信吾さん。わかったわ。言います。だ、だからトイレに…」
「ほう、ならトイレにいってなにをそんなにしたいのか、ちゃんといってみな」
もう、ひろは限界だった、皆の前で、こんなところでだけは、絶対にできない。
「ああっだめっ。うっ、わかったわ。い、言います。な、なんて言えばいいの…」
「ほう。そうかい。なら…−トイレに行ってうんこしたい！−って、ちゃんといってみな」
「………」
あまりの羞恥に絶句したひろであったが、再びせっぱつまった便意の激しい波に襲われると‥。
「あっ、ああっ、もうだめっ。い、言うわ…。お願いです。だからトイレに行かせてください。
ト、トイレで……、うん…こ、…したい！」
今はトイレに掛けこむ事だけが全存在に先立つ唯一の願いのひろは
ついに羞恥も見栄もかなぐり捨てていうのだ。
「はははっ、皆んな。貴婦人のひろ様が、トイレにいって、うんこしたいんだとよ。」
「ああっ…」
「ふふふっ、ひろさん。もう一度、ちゃんと、だれが…、どうしたいのかいってみな。」
会場内からは、恍惚とした表情の男達の笑い声が起こる。
「もうだめっ…出ちゃう。早くっ。…ひろよ。ひろは、トイレに行って、うんこしたい…。」
「ふふふっ、ひろさん、よく言えたね。…でも、だめだ。
ひろさんが排泄までしてくれるとなれば、…これはどうしても…ここで見物しなきゃならない。」
「なっ！…。ひ、酷いわっ！…ト、トイレに行かせてくれるって…」
「はは、考えてあげてもいいっていっただけだ。」
「ああっ、信吾さん。卑劣なっ。どこまで私に恥をかかせれば気がすむのです。」
ひろは、恨みっぽくそういう内にも生理の苦痛はズキンズキンと響くように込みあがる。
「もう、こうなれば、洗面器を使うよりないじゃないか。」
信吾は意地悪くそういうと、薬液で濡らした中指をふたたびひろのすぼまる菊花に当て、挿入していく。
「い、いやっ、あ、あっ」
熱い疼痛が菊花に走った。そしてそれはだんだんとひろの腸内に埋まりこんでいった。
下腹部の重く気怠い便意に必死で堪えるひろの体内で、ゆっくりと信吾の指の先端が動きはじめた。
腸が、指による刺激と薬液との強烈な攻撃を受けて、グルルと震えだし、
ひろは言い表せぬ辛い便意と恥辱とが混ざった苦悩に歯を食いしばって堪える。
（ああっ、ひろ…は、もう駄目よっ、ああっ、出ちゃう。……うんこ…したい。）
今やその生理的欲求は、全てに優先する、ひろの唯一の願いとなっていた。
首筋から肩先の肌が脂汗でじっとりと濡れ、
縄で縛られた足の先が深く折れ曲がり悪寒が断続的に腰部から背中へ突き抜ける。
「ああ、信吾さん。もう私、我慢できないわ。ああ、助けて。」
人に言えない恥ずかしい場所を嬲られている死にたいような屈辱感と限界にきている便意の戦慄に
ひろはくくっと喉の奥から哀切な呻きを洩らすのだ。
「ひろさん。そんなに我慢せず、ほらっ、早く、吐き出したらいい。」
ひろの限界を察した信吾はそういって指をひろの菊の蕾から抜き取った。
「うぁっ、も…、洩れちゃう…」
ひろは必死で蕾をすぼめ、もう限界をこえている腸内の生理的な欲求に堪えた。
「もう、我慢できない、出ちゃうわっ、…助けてっ」
喘ぎはさらに強まりひろは両腿をすりあわせるようにして振るえながら見栄も体裁もなく口走る。
しかし、摩擦したような感覚がじわじわと全身をつつみだし、ひろの理性が崩れはじめていくと……。
「ああ、信吾さん。もう駄目。私もう…で、でてしまう…。ですから、縄だけは解いて、ねぇ、早く」
もうトイレに掛けこむ余裕すらなく、洗面器を使う事を決心したひろが
「もう駄目。ここでしますからっ。お、お願い…縄を…、縄だけは、助けてください、だれか、あっ…」
と切なげに悲鳴をあげる。
「もう、縄なんか解く閑もないんだろ。」
信吾に言われると、のっぴきならぬ状態に追い込まれているひろは
吸い寄せられるように自ら洗面器に両腿を左右に割ってその上にしゃがみこんだ。
「後生です、信吾さん。み…皆さん。あっちを向いて。お願い、見ないでっ、せめて…眼をそむけて下さい。」
進退窮まったひろはすっかり蒼ざめた表情を横へねじ曲げながらひきつった声で叫んだ。
せっぱつまって、ついにその地獄の汚辱へ身を投じようとしたひろだったが、
ひろのそんな最後のわずかな望みに反して、
男達は恍惚の表情で笑みさえ浮かべて奈落の底へ落下しようとしているひろを見つめている。
会場中から男達の熱っぽい視線を感じ、そして背後から信吾が双臀のあたりをまさぐりはじめると、
たえられぬ恥辱感が背筋を貫き、たまらず、今、一歩の排泄をひろはぐっと歯を噛みしめて耐え忍んだ。
「さっ、さわらないでっ…、あっちへ行って、……向こうを向いて」と泣きじゃくり
「臭い…匂いまで嗅ぐつもりなの。信吾さん…。ああっ…なんて卑猥な…。」
と悲哀と恨みをこめた口調でいった時、ひろは再び、うっと鋭くうめいて顔をのけぞらせた。
信吾はこれが最後だとばかりにひろの下腹部に掌を押し当てて圧迫したのだ。
傍にいた男が今だとばかりに、カメラのファインダーを覗きこむ。
もうひろには数秒も耐え抜く気力はなかった。
「ううっ、……いやぁ…。…も、もう、駄目っ！…でるわ、ああ、でちゃうわっ…いやぁ」
大きく喘いで絶叫したひろはついに全身の力をぬくと、さっと顔を横に伏せた。