「貴方、お帰りなさいませ。お疲れ様でございました。」
海外から数ヶ月ぶりに自宅に戻った白鳥財閥グループの次期会長の「慎之介」に
そう声をかけたのは、その妻のひろである。
「ひろ。ただいま。何か変わった事はなかったかい。」
いつものように、夫は美しい自慢の妻、ひろに優しい。
「今度は一週間程時間がとれるから、二人でゆっくり過ごそう。」
久しぶりに食事をともにして、慎之介はそういいながら、
「久しぶりの君の豊満な身体を目にして、もうたまらない気分だよ。」
などと、ほろ酔い気分もあったのか、珍しく慎之介らしくもない猥談を妻に展開するのだ。
しかし、慎之介の夜の行為自体は淡白であり、
そんな猥談にもひろの方も貴婦人らしくたいした反応を示さないのだ。
慎之介はそんなひろのあまりの羞恥心の強さと反応の頼りなさにはいささか不満なようで、
「君は淑女でありすぎる」などというのだか、
ひろより１つ年上のまだ２８歳の若さの慎之介の方も二〜三十分程度の情事が精々なのである。
慎之介の方こそ紳士でありすぎるのではないかとひろは思うのである。
そう、自分は夫の思う程に淑女なのでもなく、本来は性に対する憧れが強いのだと感じている。
あの日、皆の前で信吾を辱めつくした、あのパーティの後‥‥
パーティ会場内の女性達の様子や信吾の恥ずかしそうな姿に
「美佐子」、「美知」、「美穂」と顔を見合わせると
自らの身体の中に生じている、はっきりとした男嬲りという行為への激しい快感の中で
「ふふっ」と満足そうに含み笑いを浮かべ、誰よりも身体を熱く濡らしていた程のひろなのだ‥。
自分から淑女の仮面を見事に剥ぎ取ったあの時の事を思う。
もし慎之介が紳士を捨てて、自分に挑めば自分も本性を剥き出しにできるのかも知れない。
ひろは、そんな気持ちになっていくのだ。
「今夜は寝室をいっしょにしよう。いいだろう。」
慎之介はひろの肩にやさしく手をかけていった。
「‥はい、貴方。」
今日のひろはそんな夫の言葉にすこし羞恥を浮かべながらも期待感を持って素直に従っていくのだった。

寝室のベットそしてそこに横たわるひろは脇の電気スタンドの灯明かりだけで艶かしく映し出されている。
慎之介はひろの上に覆いかぶさり、激しく接吻を注いだ。
ひろの美しい頬からうなじにかけて熱っぽい接吻を注ぎかけてから、ゆっくりと着ていたものを脱がせていき、
露わになったひろの巨大な瑞々しい乳房にも顔をうずめると、遮二無二接吻を注ぐのだ。
いつの間にかひろは夫の手で全裸にされていた。
「綺麗だ！本当になんて見事な身体なんだ！」
慎之介は自分も全裸になって、ひろを抱擁し愛撫しながらいった。
久しぶりに眼にした妻の優美で豊満で官能的な美しい裸体に満足している。
慎之介は乳房からみぞおちにかけて触れさせていた唇を下腹部へ移行させた。
両腿の付け根の繊毛に覆われた丘に唇が移ると、ひろはあっと声をあげた。
しかし、慎之介の愛撫はあくまでも優しく、どこかたどたどしいもので、
ひろは、燃えようとしても燃え上がれず、じれったさのようなものを感じてしまうのだ。
ひろの身体はまだ味わった事のない荒々しい技巧の愛撫をもとめているのだろうか。
慎之介はやがてひろの下腹部から顔を起こすと、その息はあらあらしく、
自分の昂ぶった欲情のままにおもむく感じで、すぐにひろとひとつになろうとしてきた。
（ああっ、貴方‥待って‥私も貴方のものを‥）とひろがいう間もなく、
身体を重ねてきた慎之介は、激しく腰部を揺さぶり
「ひろ、どうだい。いいかい‥」と耳元に繰り返してくるのだ。
そんな恍惚の表情の慎之介とは正反対にひろの官能は不思議なくらい燃え上がらない。
それにくらべて慎之介はまだ数分ともたたぬうちに極限に到達するのだ。
慎之介はたちまち熱い快感に全身を摩擦させて自失してしまったのである。
ひろがチラリと目にした、しばらく放心したようにがっくりとしていた慎之介の股間は
放出を終え、空しく萎えきってしまっていた。
ゆっくりとひろが身体を起こしかけると、
「ひろ。ごめんね。」
と慎之介は愛する妻に対して欲情の期待を満足させられなかった自分を情けなく意識して詫びるのだった。
「‥‥。いいのよ、貴方。」
ひろの不満を感じつつも、後始末を終えた慎之介は心地良い疲労感の中ですぐに眠りについてしまった。
膨らむ性への期待を満足させられないまま、眠りにつく慎之介の横にひとりとり残されたひろであった。

翌日の夜も前日と同じように、慎之介はひろの身体に満足してひとりで果てた後、
いつものようにひろが寝室にもってきたブランデーを口に運び飲み干すと、
ひろの裸体を抱きながら気持ちよさそうにすぐに眠りについてしまった。
またひとりで取り残され、欲求不満を感じるひろ‥。
今日のひろにはある企みがあった‥。ひろはそんな慎之介の夜の行為に不満なのである。
ならば‥、今日こそ、夫の身体の隅々まで観察しよう、夫のものをしっかりと調べてやろうと企てたのだ。
慎之介は、愛する妻のそんな企みを知らずにぐっすりと眠っている。
その企みを実行すべく、簡単には慎之介が起きださないようにブランデーに睡眠薬を入れておいたのだ。
ひろは一旦寝室を出ると、再び戻ってきた時には美佐子と一緒だった。
夫、慎之介の身体を隅々まで調べあげると決めたひろであったが、
夫と、そして信吾のものしか見たことさえない淑女のひろにとってはその行為をひとりでするには心細く、
グループ企業の女性達の中で最も信頼のおける白鳥鋼業の社長の令嬢「美佐子」に、こっそり相談していたのだ。
２６歳で独身の才女、美佐子は男性経験も豊富でそちらの方の知識も長けていた。
その日の夕食に美佐子を招待して、夫と３人で食事をした後、ゲストルームに泊まってもらっていた。
今日のひろはあくまでも計画的だった‥

‥‥‥‥
ひろの細い白い手が、ベットに横たわった慎之介の下半身をゆっくりと剥き出しにしていく。
ひろの眼の前に下半身だけを裸に剥かれた慎之介のものが露出した。
つい１時間程前にひろの身体の中で満足して放出を終えた慎之介のそこは、
小さく萎えきってずっぽりと、先端まで深々と包皮を被ったものだった。
妻であるひろ自身もこれほどはっきりと夫のものを真近でみたのははじめてだった。
「やっ、やっぱりだわ‥。み‥美佐子さん、やっぱり夫のものは、ほ‥、包茎のようですの。」
「えっ、ひろ様。‥そうですの‥。あのう‥わたくしも見せていただいてもよろしいのですか。」
「美佐子さん。実は私‥夫と信吾さんのものしか‥そう、ほ‥包茎のものしか見たことがないのです。
だから‥美佐子さんに、ちゃんと観察してもらって、夫のものを調べていただきたいの。」
「そうなのですか。‥わかりました。それでは失礼して‥ど‥どれ？良く見せてくださいませ。」
ひろは慎之介のものを右手で摘むと小さく萎んだ夫の包茎を美佐子に見せていく。
お嬢様育ちのひろは、夫のものをこのように手の中でもて遊ぶのさえはじめてだった。
「ふ〜ん。なるほど。こんなに小さくて、見事に皮かぶってて‥。あっ、ごめんなさい、ひろ様‥」
「いいえ、いいのよ美佐子さん、それより、しっかり調べてください。」
「は、はい。それでは、ひろ様自身も、もっと近くでよくみてください。」
と慎之介のものにじっくり見入っていた美佐子に促され、ひろも慎之介のものの真近まで近づく。
「ああ。これが夫の‥おちんちん‥なのですね‥。包茎の‥」とひろがいう。
「そうです、ひろ様。こんな信吾さん以上に先っぽまでずっぽりと皮をかぶった‥、
こんな‥包茎のおちんちんを見たのは私もはじめてですわ。」
と美佐子がひろの方を気にしながらもいう。
美佐子は他人の旦那であり、白鳥財閥グループの凛々しい次期会長の秘密を目撃した事に興奮していた。
「美佐子さん。それにしても‥、夫のもの。これ、‥変じゃないです。」
「ひろ様。そうですわね。相当ひどい包茎ですけれど‥エッチできるのですか、これで？」
「‥えっ‥ええ、一応‥‥。」
「でも、ホント、ちっちゃいですわね。‥あっ、ごめんなさい‥」
「ええ、いいのよ。本当に子供のおちんちんみたいですわね。でもタマタマはおっきいみたいですわ。」
「おちんちんが小さいから、そう見えるのではないですの？」
少しずつこの状態に慣れてきた、ひろと美佐子。するとひろは慎之介のおちんちんをいじりだした。
おちんちんを摘んだり、皮を引っ張ったり、タマタマに触れたりするのだ。
「ひろ様。この皮って、どこまで伸びるのかしら？」
「美佐子さん。伸ばしてみますわ。はい‥、どうです。」
「すごい‥、すごいですわ。象の鼻みたいですわね。これは。」
熟睡している慎之介であったが、そのようにおちんちんをいじられ、嬲られて、その部分は勃起していく。
「わわ‥、おちんちん‥勃起してきましたわ。」
「ホント。でも慎之介様、おっきくなっても剥けないんですわね。」
「ああ、おっきくなっても、おっきくはない‥ですわね。あれ？」
「なんか先っぽの部分が、亀頭が隠れたままで可愛そう。ひろ様。剥いちゃってみましょうよ！」
「え。それでは、ゆっくり‥剥いてみますわ‥」
美佐子にそう言われたひろは皮を剥き始めた。‥
「ああ、美佐子さん‥皮がいっぱい余りすぎて‥」
「本当ですわね。勃起した状態でも亀頭が‥皮でこんなにすっぽりと包まれてますわ…」　
「ホント、おっきくなってるのに‥。でもなかなか剥けないわ。」
「ひろ様。これは‥、もしかして、真性包茎なのかも‥。おっきくなっても剥けない皮かむり‥。」
「うっ‥。や‥、やっぱり、そうなのかしら‥」
それでも、何度も繰り返し皮を剥こうとするひろの手が慎之介のおちんちんを刺激していく。
‥すると‥つるんっと、繰り返されたひろの動作によってついに慎之介の綺麗なピンク色の亀頭が露出した。
「あっ、ひろ様。剥けたわ‥」
「あぁぁんっ　皮が剥けて、亀頭が顔を出しましたわっ」
「ウフフッ…　慎之介様の‥。ピンクでかわいい亀頭ですわね…」
「え‥ええ、美佐子さん。私も夫の包茎の中身は初めてみましたわ」　
「それじゃ、ひろ様。今度は包茎おちんちんをかわいがってあげてください。
そうです。おちんちんの皮を、剥いたり、かぶせたりして刺激してあげてくださいね…。　
ウフフッ…　こういう皮を使ったおちんちんいじりが出来るのは、包茎の特権なのですわよ…」　
「あら…　ほんと。こんなふうに、おちんちんの皮を引っ張って剥いたり、
指先で皮をつまんで元の位置までかぶせたりすると‥
ぐっすりと眠っているくせに‥なにかとっても気持ちよさそうですわ‥」　
ひろが眠ったままの慎之介をみながらそう言った。
と‥その時、熟睡状態で夢の中にいる慎之介が頂点に達してしまったようだ。
「うわぁ、あぁ‥」
ぴゅっ‥ぴゅっ‥
慎之介の精液が散らばった。慎之介は夢の中で‥。まさに夢精の状態であった。
「ああ‥。出たわ。出たのね。」
「それにしても、ひろ様。いつも‥こんなに早くいっちゃうものなのですか？
‥慎之介様って、もしかして早漏？」
「え、ええ‥‥、実はいつも‥そ、そうなの‥。」
「でも、ひろ様。一応、皮は剥けたから真性包茎じゃなかったみたいですわね。
わたくしの見たところ‥、重度の仮性包茎ってところではないでしょうか。」
「え‥、そう‥ですの。美佐子さん。ありがとう。よくわかったわ。」
「ふふふっ、それにしても慎之介様って‥。（包茎で‥短小で‥早漏‥）‥だったのですね。」
ひろはそんな美佐子との会話の中でたまらない快感に身体を熱く濡らしてしまっていた。
欠点もなく完璧だとさえ思っていた愛する夫の秘密‥。
夫の男としての秘密を、他人である美佐子にまで暴かせ辱めている‥。
そして、それを自分も一緒になっていたぶり楽しんでいるのだ‥。
信吾同様に気高いプライドのかたまりのような夫、そんな男性を嬲ることの快感。
ひろは自分の中ではっきりと芽生えている男嬲りという行為による快感の波に溺れていった。

‥‥‥‥
慎之介は深い眠りの中で不思議な夢をみていた。
目隠しをされたまま、仰向けに寝かされ、手足も縛られている。
「ひろ様。それでは、そろそろ始めますわ。」
ここは何処なのだ？慎之介が首を振る。夢の中なのか‥。女性たちのヒソヒソ話がする。
慎之介の下半身は裸に剥かれ、秘事でもある包茎のおちんちんが剥き出しになった。
（あっ、そこは‥、だめだ‥）
そこは、プライトの高い慎之介にとっては人に見られてはならない恥ずかしい部分なのである。
長い間、妻にも秘めていた部分を丸出しにされているという羞恥の感覚に慎之介は襲われた。
と‥慎之介のおちんちんに何かが触れた。すると、すぐに慎之介は勃起してしまった。
女性の手だろうか‥そしておちんちんをゆっくりとシゴきだした。
慎之介のおちんちんからぬるぬるしたものがでてきた。
「ひろ様。その汁をすこし手のひらにつけてシゴいて下さい。」
「こ、こう？」
（ひろ？‥そこにいるのは、ひろなのか‥。もうひとりの女性の声は‥‥み、美佐子さん？‥。）
夢の中なのか‥慎之介には状況が理解できなかった。
女性達の会話と行動が続く。
「そうですわ、少しシゴきやすくなったでしょう？どうですかひろ様？」
「あまりかわらないみたい。よく分からないわ。」
「なるほど‥。慎之介様ほどたっぷり皮を被った重度の包茎おちんちんでは‥
包んでいる皮が亀頭を刺激するだけなのでそんな汁は余り関係ないみたいですわね。」
「それって、アソコに挿入したとしても結局は自分の皮で自分のおちんちんをシゴいてるだけ‥
っていう事になるのかしら。」
「うふふっ‥そうですわね。ひろ様、そういえない事もないですわ‥。
‥それでは、ちょっと‥今度は口でやってみますか？」
すると‥何か今までと違う感触が慎之介のおちんちんを刺激した。
口でされているのか？ま、まさかひろが‥。慎之介は目隠しされているので分からない。
あああ‥しかし‥なにか‥とても気持ちがいい。
（気持ちいい。‥すぐに出てしまいそうだ。）
「あらっ、もうイキそうですわよ。ひろ様。おちんちんに集中して、ゆっくりシゴいてください。」
「どうやってしごけばいいのかしら？」
「慎之介様のは、皮がだいぶ余ってるから、皮でおちんちんをこすってあげればいいのですわ。」
「‥こんな感じかしら？」
ひろは先ほど剥いたばかりの慎之介の亀頭の付け根でだぶついているおちんちんの皮を
しっかりと指で押さえつけると、そのままふたたび先端部分の方へずりあげた。
「あはっ。またまた先端部分の先まで皮で隠れちゃったわ！この皮ってものすごく伸びるのですね。」
「ふふふ、ひろ様。今度はそれをおもいっきり下に下げてみたら‥どうです？」
「こうね‥」
ひろは慎之介のおちんちんの皮を下にずりさげた。
「美佐子さん見て。完全にムケた状態が、これってわけなのね。」
「そうですわね。皮って結局、下の方で‥こんなふうにつながってるのですわ。」
「この上下運動を繰り返せばいいのですね。」
ひろは嬉しそうに慎之介のおちんちんの皮を上下に動かし始めた。
激しい快感が慎之介を襲う。
（く‥‥ふぁあっ‥‥‥）
「ふふふっ。おもしろいですわ。ああっ‥皮だけが‥別々に動いているわ。」
「ほんとですわね。慎之介様のおちんちんって、皮がたっぷり余ってるから‥」
「その皮が、おちんちんの中身を刺激して、気持ちよくさせてるのですね。」
「扱く速さって‥、これくらいでいいのかしら？」
「そう、いいですわ。ゆっくり、ゆっくり。‥もうすぐ射精しますわよ。」
（ああ、もう限界だ。あああああ‥‥‥‥あっ？）
ひろの手が突然おちんちんから離れた。いや、離されたという感じである。
「ひろ様、うふふ、さあ、また始めて下さい。今度は力強く上下にシゴいてみてください。」
あああああ‥。そう、焦らされる慎之介、またすぐに出そうな感覚が戻ってくるのだ。
（もう何でもいいから‥早くして‥くれ‥。だ‥出したい。）
くちゅくちゅくちゅ
（……んん……ふううーーっ……）
ひろの手の動きが、だんだん速くなってきている。
（ああああ‥）
くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅ‥
（ああああ‥も、もう‥で、で、出る‥）
「うふふっ、ひろ様！！　射精の瞬間ですわ。」
（‥うっ、うっ‥うっ‥）
どぴゅ‥ぴゅ‥
どれくらい‥どこへ飛んだかも分からない。慎之介はただ気持ちよかった。
しかし‥ひろはそのままそこから手を離そうとしない。そしてしばらくするとまた手を動かしていく。
そのまま‥慎之介は何回かの射精を繰り返していた。
「ひろ様、もういいですわ。ゆっくり手を離してください。何回いったか分かりましたか？」
「ええ、でも‥おちんちんの先っぽまで皮かむってるから、出たかどうか分からない時もあるのです。」
「うふふ。そうですわね。そんなのが皮の中に白く残ってしまうのです。
そういうの。ちんかすって言って、包茎の場合、多く溜まるので、しっかり皮の中まで洗わないと‥。」
慎之介は呆然とそこに横たわってそんな屈辱的な会話を羞恥の中で聞いていた。
‥そして‥慎之介の耳から‥そんな女性たちの声が‥だんだん遠ざかっていった。

「パシャッ！パシャッ！」
ひろはカメラを取り出して、慎之介のおちんちんを撮影した。皮を剥いたり、被せたりして‥。
「パシャッ！！」
そして、もう一枚、今度は全身の写真を撮り終わると、
笑みを浮かべながら、慎之介の鼻に眠り薬の臭いのする布を押し当てたのだ。
ひろの企てに気づかないまま、ひろと美佐子にじっくりと自分の恥ずかしい部分まで観察され、
そして嬲られ、写真に記録された事にも気づかないまま‥そう‥何も知らないまま‥
慎之介はふたたび深く、そして心地良い眠りに落ちていった‥‥‥。
「おやすみなさい、貴方‥」
ひろは汗ばんだ頬に乱れ髪をまといつかせながら、
妖婦に変じたように男嬲りという快楽に溶けた潤んだ仇っぽい眼差しで、
再びぐっすりと眠りについた夫、慎之介を見下ろした。
そして美佐子の方へ顔をむけると
「美佐子さん。今日はありがとう。今日の事はわたくし達二人だけの秘密にして下さいね。」
と、夫を嬲り、自身の求める官能の頂上を極める事ができたことに気をよくしたように言うのだった。

‥‥‥‥
「おはよう」
翌朝、いつものように清楚な淑女らしいひろにやさしく起こされ
美佐子がまつ朝食の席に現れた慎之介である。
優雅な朝食の時間を送る３人‥。
「昨日の夜‥、なにか変わった事は‥なかったかい。」
慎之介は昨夜の夢の中の出来事が気になっていた。
あまりにもはっきりとした感覚に、もしや、夢ではなくて‥などと思ったりもしたのだ。
「どうかなさったのですか。慎之介様。」
何事もなかったかのように気品のある顔立ちの美佐子が応える。
「いや…別に、とくになにもなければ良いのだ‥」
「‥今朝は変な事おっしゃるのですね貴方‥。変な夢でも、見たのですか‥」
そこにいるのは、いつも通り、貴婦人らしく清楚なひろと、美佐子なのだ。
昨日の夜のような事はありえない。やはり夢なのである、なぜ、あんな夢を‥。
「いや、‥すまなかった。もう気にしないでくれ。」
少し顔を赤らめている慎之介である。
ひろと美佐子は慎之介に気づかれないよう、「くすっ」と小さく笑うのだ。
眼の前にいる凛々しい慎之介。そんな慎之介の昨夜の恥態、恥ずかしい秘密をそれぞれが思い出している。
そして‥ひろと顔を合わせた美佐子は悪戯っぽくウインクを送った。
美佐子と眼を合わせたひろの方もウインクを返すと、満足そうな微笑さえ口元に浮かべるのだった‥。