‥真夜中に目をさました優子。
さっきの夢は、なんという淫らな夢だったのか‥。
（あぁ‥。私ったら‥こんなに濡らしちゃってる）。
股間に手を入れた優子は激しい自己嫌悪に陥ってる。
（こんなに恥ずかしいおっぱいばっかり責められて、いっちゃうなんて）
（長い間、隠していた秘密を見られちゃった反動なのかな‥）
晋吾くんが、こんな貧乳の私を受け入れてくれる筈ないのに‥と
あまりの恥ずかしさで赤く染めた顔を覆うように布団の中にもぐりこむ。
（あぁ‥明日からどんな風に晋吾くんと顔をあわせればいいの‥）
優子にとっての‥‥眠れぬ夜は更けていった。

それから３日、優子が想い悩んでいたような恥辱的な事柄もないまま退院の日をむかえた。
あれから院内で晋吾にあったのは、１度きりだった。
その時の優子はまともに晋吾の顔を見る事ができずに顔を伏せたままだったが、
晋吾の方からも、「全治１週間の打撲」という診察結果の報告が、
ごく事務的になされただけでそれきり二人が会う機会はなかった。
優子の面倒をみてくれた看護婦達も終始事務的な対応で、
内心はどうかわからないものの、『上げ底女』と揶揄するような視線を感じる事もなかった。
にせ巨乳なんていう秘密は、優子が思うほどに他の者からすれば他愛のないものなのか、
（私の思い過ごし‥。被害妄想？　‥‥でも）
（晋吾くん‥。こんな私に呆れて、私‥やっぱり嫌われてしまったのね‥）
退院する今日になっても、晋吾からなんのアプローチもなく、そう感じた優子は
（そうよね。こんな見栄っ張りの上げ底女、嫌に決まってる‥）
（晋吾くん、あぁ‥。今度こそ、本当のお別れなのね‥）
と寂しい気持ちで、病室を後にしたのだ。

病院を出てタクシーを拾おうとした優子の前に１台の車が止まった。
「優子さん。退院おめでとう」
「えっ‥」
晋吾だった。
退院する優子を家まで送ろうと、晋吾が自分の車で迎えにきたのだ。
思いもかけない事に、優子は晋吾に勧められるままに車に乗り込んだ。
非番の晋吾がわざわざ優子を迎えにきてくれていたのだ。
思わぬうれしさに、晋吾にすすめられるままその日優子は晋吾のマンションに身を置いた。

晋吾の部屋、二人きりの空間で晋吾が突然優子を抱きしめた。
「優子さん‥、再会して改めてわかったんだ。やっぱり、優子さんを愛してる。」
驚きの表情の優子に晋吾が続ける
「なぜ、学生のとき‥、僕の愛を受け入れてくれなかったんだい」
（えっ！！）
まさか‥。突然の晋吾の告白、そして夢の中と同じ言葉に優子の胸は大きく鼓動した。
「‥‥」
何も答えられずに俯く優子とは対照的に
長い間の時間を埋めるかのように、晋吾は優子が見た夢に負けない位に積極的だった。
「もう、自分の気持ちを押さえる事なんてできない。優子さんが欲しい‥愛してる！！」
優子をもう一度抱きしめて、唇を合わせてくる。
晋吾の情熱的なキスに優子が身を任せると
晋吾は自身のシャツとすぼんを脱ぎ捨てて、今度は優子のスカートを脱がせていく。
そしてブラウスのボタンに手をかける‥‥
「あっ‥」
晋吾の告白。その夢見ごこちの中で我に返った優子が小さく声をあげた。
（いやだっ、今日の私ったら‥、こんな‥）
特盛シリコンパットの偽巨乳だと看護婦達に知られてからの優子は、
病院内ではパット入りのブラジャーをつける訳にもいかずに過ごしていた。
実際、自宅にいるときはそのペチャパイはブラジャーいらずなのだ。
退院して自宅までタクシーで帰るだけのつもりだった今日もそれは同じだった。
「優子さん。こんな遠回りを‥。なぜ、あのとき‥、僕の愛を受け入れてくれなかったんだい」」
晋吾が、そんな優子のブラウスのボタンをはずしながら、もう一度問いかける。

「あぁ‥晋吾くん。私のヒミツ。‥し、診察のとき見たでしょう‥‥」
晋吾の前で明らかにされていく身体をさらして、恥ずかしそうに小さな声で優子が答える。