開設１０周年記念小説〜恥辱シリーズ第３弾〜

「そこまででいいだろう。生放送じゃさすがにこれ以上はちょっとな…ふふふ」

（…わたし…、…ＴＶを見ている膨大な数の人に、…全裸まで、曝してしまった…のね…）

そう信じさせられて落胆している桂子は、どうにもならない激しい羞恥で震えている。

「…ごめんなさいね…許して……」

男の指示でカメラを肩から下ろした美知は、泣いている桂子に詫びていた。

「ただし、これで終わったわけじゃない。ここからの画も録画されてもらう。」
「ふたりともよく聞けよ！…もし、刃向かえば容赦なしにその画を放送する。いいな…」

（…恥ずかしい…　どうしよう……　もう…もう、一生…人前になんて…出れないわ…）

男の脅しに、桂子は否応もなく頷き、美知も悔しそうに一味の男にＴＶカメラを手渡した。

「おいっ、こんどはあんただ。カメラマンの女、年はいくつだ。」

「…２６…です…」

「ほう。なんだこっちの女と同じ年じゃないか。」
「ふふっ、こりぁいい。とりあえずシャツを脱いで下着になってもらおうか。」

「……」

…なにがいいのか…美知は目を瞑って天井を仰ぐように顔を上げた。
やがて美知は着ていたタンクトップの裾を掴み捲りあげた。
下着の膨らみが覗く。
美知は下着姿の上半身になった。
一味の男が構えて録画を始めたＴＶカメラが美知の姿を捉えた。
２６歳の白い肌がモニターの画面一杯に映し出されていた。

「おっ…この姉ちゃんも、…いいスタイルしてそうじゃねぇか」
「おお…この画面に映ってる、恥ずかしそうにしてる画も…また、いいねぇ…」
「お前やるじゃねぇか。なかなかだ…カメラマンの姉ちゃんより撮るのうまいかもな…はは」

酒を飲みながらフロアーに置かれたＴＶモニターを見ていた男達は手を叩いて喜んでいた。
録画されているＴＶカメラの前で美知はブラジャーを隠すように両腕を胸に回していた。

「次は…。…ブラジャーを取れ…」

「うっ…」

「いやがる事はないだろ。けっこう、乳…でかそうじゃないか。早くしろ…」

「…こんなこと…。…カメラの前で…裸になるなんて…」

美知の目に自分の体に向けられているカメラのレンズが映った。
こんなものを撮られてしまえば、これからどうなってしまうのか。
美知の目からは悔し涙が流れ出していた。

「おい…言う事を聞かないと…どうなるって言ったっけな…」

「待って…ぬ…脱ぐ…わ…」

「そうだろ…それで良い…」

何よりも今は、こんな恥ずかしい画がＴＶ放送されるのだけは避けなければならない。
覚悟を決める他ない美知は、手を背中に回した。
遮るものの無くなった美知のブラジャーが露わになった。
背中のホックを外した美知はブラジャーを押さえるように手を移動させた。

「ブ…ブラ取った…わ…、…これで…許し…て…」

「ふざけてんのか…。ちゃんと脱いで床に捨てろよ…」

「…ぁぁ…」

特殊犯捜査の刑事などという立場をすててこの場から逃げ出してしまいたかった。
しかしそれは叶わぬ事である…美知はブラジャーの紐を肩からずらして…脱いでいった。

　

「ブラジャーを捨てろ…」

男は美知を促した。
美知は言われた通りに、外したブラジャーを床に投げ捨てた。

「おお…」
「ついに美人カメラマンの姉ちゃんがブラジャーをとったぜ…」

興奮した男達の視線が釘づけになる。

「何で手で隠してるんだ。手を…下げろよ…」

腕を胸に回して隠そうとする美知に、男が冷たく言い放った。

「…くっ…」

男の言葉に従うしかない美知はうな垂れて…、すっ‥とその手を離した。

男達にとっては意外ともいえる小ぶりな乳房があらわれた。
綺麗なピンク色の頂きが白い乳房に映えていた。

「おおおっ‥」
「なんだ…上げ底かよ‥意外にちいさいオッパイだったなぁ。」
「うむ…最初に見たときはもっと巨乳だとおもったんだがな。」
「ああ、ちょっと小さめだけど、…でも良い乳してるじゃないか…」
「おう、たしかに綺麗なおっぱいだ…」

裸の上半身を曝け出した美知に、強盗団の男達が声を上げた。

「たしかに綺麗だが…意外な微乳だな…。サイズ…何カップだ。」

「……」

「…おい！　返事しろよ。　…聞いてんのか。」

「…うぅ…　Ｃ…　…いえ… …Ｂ…カップ…です」

美知は顔を羞恥の色に染めて屈辱に震えながら男に答えた。
美知にはＴＶの前の視聴者に貧乳を曝されてしまった桂子の気持が痛いほどわかっていた。
自分も日頃からパット付のブラジャーを常用している美知なのである。
それ程に小ぶりな乳房は美知にとってもコンプレックスだったのだ。

「おっぱいはＤカップ位はあると思ったんだが。女はすっ裸に剥いでみないとほんとわからんな。」
「ふふふっ。ブラジャーのせいだろ。」
「パッド付のブラジャーで胸を大きく見せてたってわけだ。」
「まあ、本人の言う通りＢカップってとこだろう。乳首はピンクで乳輪は小さめってな。」
「まあいいさ。おっぱいに少しボリームはたりないがスタイルがいい事には変わりない。」

視線を這わせながら、美知の胸を品さだめするように男達は顔を見合わせて笑うのだ。

（…そんな眼で‥見ないで‥）

美知はコンプレックスを弄る男達の無神経さが許せなかった。
露骨に性的な好奇心を押し付けられる恥ずかしさにいたたまれない。
美知は男達の視線から顔を背けて、そんな屈辱に堪えるしかなかった。

「次は…どうすればいいか。…　もう分かっているよな…」

「もう…無理です…、ああ…お願い…許してっ…」

「ＴＶ…あんたらの裸を意外と楽しみに見てる奴もいるかもよ…ふふふ…。」
「言う事を聞かんとどうなるかわかってるよな。一度しか言わんぞ…、パンツを…脱げ！」

「あぁ……」

男の言葉に、美知は逃げる事など出来ない事を思い知らされていた。
もうどうにもならないのだという絶望の表情を浮かべながら美知はショーツの淵に指をかけた。
美知の身体に最後の最後に残された、まだ濡れたままのショーツが下ろされていく。
ＴＶカメラの正面から逃れるように身体を背けた美知の裸の尻が画面に映し出された。

「おいおい。何してんだ。」
「たしかに綺麗な尻だが、…こっち向いて脱げよ。…ちゃんと裸、見せろ。」
「いやいや、このアングルもなかなかいい眺めだぜ。ホント綺麗な…いい尻だ…。」

強盗団の男達が見守るなか、美知は全裸になっていった。
自分の体を突き刺してくるような強烈な男達の視線を感じていた。
男達は厭らしそうな眼差しで酒の入ったコップを片手に、にやついた顔をしている。

（…もう…だめ…よ…）

数分後…美知はＴＶカメラに向かって真っ直ぐにポーズを取らされていた。
そして全身の画を収めるためだと、その場でゆっくりと一回りさせられるのだ。
全裸を…全てを…見られて、撮影されてしまっている。
多くの人々がＴＶの向こうで、この強盗事件の放送を待ってるはずだ。
美知は自分が撮られていくあまりの恥辱的な姿に絶望を覚えた。

「カメラマンの姉ちゃん…ついに丸出しだな…」
「なぁに。ほんとは警官なんだろうよ。婦警さん、良い眺めだぜ…」
「ははは、ヘアーがばっちり見えているよ…」
「ほう…あんたもアソコの毛は薄い方なんだな…」
「…それにしても良い肉体してるなぁ…婦警にしとくのは勿体ないぜ。」

（…もう…もう…無理よ…いやっ…）

美知の耳に、ざわつく厭らしい男達の声が響いてくる。
桂子ほどではないものの、美知の下腹部の陰毛も薄かった。
薄く中央部分を覆っているだけだ。

男達はしばらくの間、美知の裸を酒のさかなに、隅々まで視姦しつづけた。
それぞれが勝手なことを言って美知の裸体を批評し、時には笑い合っているのが辛かった。
俯くことを禁じられ顔を正面に向けさせられた美知は屈辱に唇を噛み堪えるしかなかった。

目的地についたら人質は解放してやるといった男の言葉を信じたかった。
しかし、今は美知も桂子もふたりとも、男達の前に全裸を曝し続けているのである。
男達が目だし帽を取って、自分たちに素顔を見せている事が美知には不気味だった。
厳しい訓練で鍛えられた美知の脳裏には、すでに１０人の強盗団全員の顔が記憶されている。

（…このまま解放されない…のかも…、…もしかしたら…殺されて…）

そんな恐れが頭の中をかすめていく。
なんとかしなければ…と、美知のあせりだけが大きくなっていった。

「おいおい、いつまでじっと突っ立てんだ。全然面白くないぜ…ははは」
「そうだな。婦警さん、…なんかやって見せろよ。」
「ほらっ、そっちの貧乳の女子行員の姉ちゃんも、ふふふ…なんかやれ、なんかやれ」
「そだな…アソコの中、開いて見せろよ…」
「おっ、いいねぇ…それ。酒のさかなに貝の剥き身ってね。ははは」

麗人と呼ぶにふさわしいふたりの美女に、酒が入って上機嫌になった男達が囃し立てる。

「そうだな。ここでの最後の夜だ、お楽しみはこれからってな。」
「それじゃ‥、みんなで順番に、婦警さんのおっぱいの柔らかさでも調べてみるかい。」
「こっちの行員の女は…この貧乳じゃ揉むのも無理だろ…、まんぐり返しでもさせるか。」

「おお、いいねぇ！」

その言葉が合図になったように、酒の入ったコップを置いた男達が立ち上がった。

「やめてっ…そんなことだけは…いやっ…許して！」

今では、男達に言われるがままに羞恥の姿を曝してしまっている美知である。
しかし、こんな男達に身体を触られるのだけはどうしてもがまんができなかった。
近寄る男達へ抵抗しようと身構えた、…その時…

「おとなしくしろっ！！」

男が怒鳴り声をあげた。
美知が振り向くと、桂子の体に拳銃が突きつけられていた。

「本性を現したな婦警さんよ。分かってたさ。ほら、おとなしくそこで両膝をつけ…手は後ろだ。」

「……」

男が持つ拳銃がモデルガンなどとは思いもしない美知。
桂子の危機にどうする事もできず、その場に両膝をつき手を後ろに回すしかなかった。

「そのまま膝を開け…そうだ、よし、いい娘だ。」
「二度と刃向かうなよ。その恰好のまま、しばらくそこで…おとなしく見てろ…。」

「お前達も、落ち着きな。席に戻れ、宴の途中だ。…お楽しみはゆっくりとだ。」

言われるがままに、美知はその場に立膝のまま膝を広げているしかなかった。
男達は席に戻り美知のその痴態を眺めながら、もう一度酒を飲み始めた。
主犯の男もコップに残っていた酒を一気に飲み干すと、拳銃を下ろしながら桂子に命じていく。

「ほら、余興はお前からだ…どうするんだっけ。…まんぐり返しだろ…早くしな。」

羞恥心に恐怖心まで加えられた桂子は、おずおずと男に言われるままに身体を動かしていく。
震えながら体を二つ折りにして股間を天井に向かって大きく突き出して、脚を開いていく。
桂子は二つの穴を、これでもかというようにさらけだし、まんぐり返しの格好をされられた。
録画をつづけるＴＶカメラに、見事にひろげられた桂子の二つの恥ずかしい穴が曝け出された。
カメラを向けられた桂子は、激しい羞恥に頬を真っ赤に染めながら従うしかなかった。

「…う…ぅ…」

美しい大人の女性でありながら、その可愛らしいおっぱい同様、そこもまた可憐な佇まいだった。
前の方は無毛に近い程に薄い陰毛、淡いピンク色の性器。
それはまるで穢れを知らない少女のもののようでさえある。
後方のお尻の穴も色素の沈着も薄く型くずれのない綺麗な可愛らしいものだった。

「ふふふ…麗人女子行員がなぁ…いい恰好だぜ。…眼の保養だ。しばらくそのままにしてろ…、動くなよ。」

自らの手で秘裂を広げるように命じられた桂子は、そんなあられもない姿を曝したままで放置された。
麗人女子行員と呼ばれる美女が、カメラに向かってここまで全てをさらけ出してしまっているのだ。
卑劣な男達によって、どこまでも堕ちていく虚像の麗人…
それは…日々の彼女を知っている者達が見たら卒倒してしまうような姿であった。

「カメラマンの…おっと、警察の姉ちゃんだったな…今度はあんたの番だが。」
「…そんなに身体を触られるのは嫌か…。」

「……お願いです。…そんなこと…だけは…許して…」

美知は男の言葉に頷き、ひたすら哀願する。
いまさら刑事であることを否定しても無駄な事であった。

「そうか、そんなに嫌か…。ふふふ…」
「ところで…、まだあんたの裸、よく見てないんだがなぁ」

「…そんな…、も…、もう全部…見せた…でしょ…」

「全部？　確かに婦警さんのオッパイと陰毛は、たっぷりと堪能させてもらったよ。」
「…意外に小ぶりな乳と薄い陰毛はね。」

小ぶりな乳、薄い陰毛…男の言葉に羞恥心を煽られた美知は、胸と股間に向けられた視線に俯いてしまう。

「ところが、まだ肝心なところを見てないんだな。婦警さんの、一番大事なところをね。」
「そんなに身体を触られるのが嫌なら…、そうだな。ここに座って…大股開きしろよ。」

男は床をポンポンと叩いた。

「…そんな……」

許しを求めても、余計に酷い事を無理やりにでもやらされることになるのは明らかだった。
美知は床に腰を下ろすと、……ためらいつつも次第に脚を大きく開いていった。


「おおっ！これが婦警さんのあそこの中かぁ」
「かわいいもんじゃないか。ふふふっ」

（…いや…　見ないで……）

美知は大股びらきにさせられて自らの指で陰唇まで広げさせられていた。
男達の視姦が刺さるように痛い。
録画を続けているカメラに、開脚している美知の恥ずかしい場所が丸だしである。

「綺麗だな。とても２６歳とは思えない。まるで処女のようだ。」
「彼氏いんのか。この調子じゃ、あんまり男としてないんじゃないのか。」
「ピンクでかわいいねぇ。ほんとに刑事にしとくのはもったいない位だ。」

「…いや…お願い…もう…見ないで…うぅぅ‥撮らないで‥‥」

薄紅色の肉の壁の中まで見られてしまった美知は、あまりの屈辱と恥ずかしさに涙がこみ上げてきた。

「ほんとに綺麗な花びらだ‥、でも‥おいっ、ここ‥よく見ろよ。」
「おおっ。綺麗な顔とびらびらに比べて‥ここは‥凄いな…ははは‥」

さっきまではしっかり閉じた花びら、その肉の壁で隠されていた美知のクリトリスは大きかった。
たっぷりと余った皮に覆われたまま大きくふくらんでいて、膣口の方まで垂れ下がってしまっている。

「ははは。クリトリスの皮ずいぶん余ってるな。」
「いくら綺麗な花びらだっていっても、そりゃぁ２６だもんな…」
「ああ。ひとりＨのやり過ぎなんじゃないの。クリちゃんの皮オナニー‥ってな。」
「ははは…ところで婦警さんよ。そのクリトリスの皮…ちゃんと剥いて洗ってるのか？」
「本当だ。どうなんだ、ちゃんと剥いてんのか。教えろよ。」

「…ううっ‥知りません。…‥そんな事、言わないで‥もう許して‥‥許して‥ください‥」

「ははは！　よっぽど恥ずかしいみたいだな。」
「だがよ。自分の事だ‥知らないわけないだろ。‥剥いて洗ってんのか。ちゃんと答えろよ‥」

「…ううっ…。…そんな…こと…したことは…ない…です…」

「なんだって？　聞こえないな。…何がないってか。」

「ああ‥む…剥いて…ないです…‥剥いてなんて洗ってない…わ…‥あぁ‥‥いや‥」

それはもう、美知が答えるまで終わらない酔った男達のしつこい揶揄いの虐めでしかなかった。

「こりゃあ、どうやら男性経験が少ないのは間違いなさそうだ。」
「どうりで２６歳のわりには、ピンク色した綺麗な花びらだよ。」
「ああ、皮の余ったクリトリスはともかく、ココ…本当に綺麗なびらびらしてやがる。」
「ふふふっ。こんな綺麗な顔でびらびらの壁の中まで清潔な婦警さんだが…」
「…ああ。剥いて洗ってないっていうクリトリスの方はどうだろうな。」
「…ふふふ…。なんなら俺たちが剥いてみてやろうか。」

男達は、今にも美知の股間へと手を伸ばしにきそうな位の盛り上がりである。

「待て待て。この婦警さんは俺らに身体を触れられるのだけはどうしても嫌だそうだ。」

主犯の男が、いやらしい揶揄いに項垂れる美知を眺めながら男達をたしなめるように言った。

「だがよ婦警さん。ただ股を広げて見せてるだけじゃな。皆んな納得しないぜ。」
「触れられるのがそんなに嫌なら…、なんか芸でもしてもらおうじゃないか。あんた何かやれよ」

「…えっ……、そう…言われても…、芸なんて…何もない…です…」

男の言葉に怯えつつ美知はそう答えた。

「芸がないか。それじゃ仕方ないな。そうだな……。！　そこでオナニーしてみせろよ。」

「そ、そんな……」

男がなにを言い出すのかと恐れていた美知は、その言葉に目の前が暗くなった。

「おっ、それいいねぇ。」
「クリトクスもでかそうだし、男の経験は少なくても、ひとりではいつもやってんだろ。」
「それゃ、そうだ２６歳の女だぜ。ははは…経験がないわけがない。」
「ああ、そうだな。オナニー見せてみろよ。それによっちゃあ…許してやってもいいかもな。」

男達はいい酒のさかなの余興ができたとばかりに大はしゃぎだ。
この男達は、人前でオナニーをさせられる身の辛さを、ほんの少しでも考えたことがあるのだろうか。
美知は死にたい気持ちになった。
しかし…この男達には何を言っても無駄だろう。
これまでの事からいって、自分の思い通りに事が運ぶまで、男達は決して諦めない。

「おい、嫌なのか？　嫌ならもういいよ。お前ら、好きにしていいぞ。」

美知はビクリと振るえて慌てて言った。

「や、やります。　やらせて…ください…」

「そうか。じゃあ、やれ…。髪は後ろへ掻き揚げろ…どんな顔してやんのかしっかり見たいんでね。」

「……は、はい」

慌てて返事をしたものの、人前で自慰をするなどという破廉恥な行為に、美知はやはり躊躇してしまう。
男達だけじゃなく、録画を続けているＴＶカメラのレンズまでがこちらを眺めているのだ。

「やるのか、やらないのか、はっきりしろよ！」

どうすればいいのか…戸惑っている美知に、男が苛つきをみせた。

美知には将来を約束しあった彼氏がいた。
相手は同僚の刑事であり、お互いに不規則な勤務の忙しさの為、二人で過ごせる時間は少なかった。
その為２６歳になる今でも、男性経験が少ないといった男達の言葉もそれほど間違ってはいなかった。
美知にとっては愛する彼氏だけの為の大切に育んできた身体だった。
どんなに恥ずかしい目にあわされようとも、こんな男達に肉体を凌辱されるのだけはいやだった。

（…もう…やるしかない……）

美知は髪を後ろにかきあげると、覚悟を決めて手を股間へと持っていった。

（す、するしかないの…　ああっ…）

男達の視線と、目の前にはカメラのレンズが向けられている。
そんな極限の羞恥行為も、美知は拒否することが出来ないのだ。

「ボヤボヤしてないで、とっとと始めろよ！」
「おっぴろげのままで、勿体ぶってんじゃないよっ！」
「いつもひとりでやってんだろ。処女でもなかろうに、早くマンズリこきな。」

男達は、下品な言葉で囃し立てニヤニヤと笑みを浮かべている。
それだけで意識が遠くなりそうな恥辱に襲われる。

美知は男達の声に押されるようにして、恐る恐る両手を股間に持っていった。
指先がどうしようもなく小刻みに震える。
…こんな大勢の男達の前でオナニーをする女なんて、私以外にはいないのじゃないだろうか…
美知は、今にも泣き喚きながら逃げ出してしまいたい衝動と必死になって戦っていた。
もしもその衝動に負けてしまったら、間違いなくより酷い目に遭わされるだろう。
涙目の美知は、羞恥に堪えて股間に伸ばした指を己の割れ目に這わせていった。

（えっ！　…濡れてる…、いやよっ……なんで…）

割れ目に触れると、そこは当然…全く濡れてなどいないと思っていた美知は狼狽した。
こんな状況であるにも拘らず、すでに充分な湿り気を帯びてしまっている。
信じられないほど恥ずかしい目にあわされつづけた女体は…すでに潤み始めてしまっていたのだ。

（…ああ…、なんでなの…いやよっ…、恥ずかしい…濡れてるの…知られちゃう…）

狼狽した美知は、恐る恐る手を動かし、あまり激しく指を擦り付けたりはしない。
くちゅくちゅと、濡らした恥ずかしい音を男達に聞かれてしまうのが恐ろしいのだ。

「おいおい、ちゃんとやれよ。そんなんで誤魔化せるとでも思ってんのか。」
「いつもやってんだろが。いつもやってる通りに…ちゃんとオナニーしろよ。」

（うう…うっ…、だめ…、…あぁ…恥ずかしい…わ…）

美知は男達の揶揄に動揺しながらも指の動きを再開させていく。
どこまでやれば男達が許してくれるのか分からない。
もしもイクまでやらなければならないのなら、相当な時間、恥をさらし続けなければならないだろう。
暗澹とした気持ちになりながら、この地獄から抜け出すためには…覚悟を決めるしかなかった。

自慰の経験がないわけじゃない…。
いや、むしろ激しい勤務と一人寝の夜の多さに頻繁に自らを慰めている美知なのだ。
美知はいつものように慣れた仕草で、愛液で濡らした右手の指で陰唇をびらびらと撫で回した。
そうして…自分の部屋のベッドでやっているように、左手でクリトリスに被ったままの皮を弄くっていった。

「はうっ」

ベッドの中では…、うつ伏せでこの行為を行うのが美知のいつもの自慰である。
遣り慣れているいつもとは違う感覚に、背中がピクンと弓なりになった。
ひとりベッドの中で淫欲に耽るのとは違い、股間を冷たい外気に晒しながら弄る感触が新鮮だった。
電流がピリリと走り抜けるような疼きがした。
美知はいつもよりも濡れるのが激しい気さえしていた。

「おっ。すごい…濡らしてんじゃない。」
「ほんとだ。なんだ感じてるんじゃないか。エロエロだねえ、婦警さん。」

「…いやっ…ち、違います。そんなんじゃ…ないです……」

「そんなこと言って、本当は見られながらするの…気持ち良いんじゃないのか。」

「うう…違う…、そんなの…嘘よ…」

言われてみれば、男達の視線を意識するたびにじわじわと股間が熱くなってくるのだ。
陰唇とクリトリスを弄繰り回しているうちに、体の奥からとろりと粘液が流れ出てきて指がヌルヌル粘ついてくる。
滑りがよくなると余計に気持ち良くなり、愛液がますます溢れてきた。

（こ、こんなところで…してるのに…、わたし…）

びちゃびちゃと遠慮なしに音を響かせはじめた美知から溢れ出た愛液が、太腿を伝って垂れ流れ出した。
いつもより激しく濡れるその反応に戸惑いながらも、そこを刺激する指の動きは徐々に加速度を増していった。

（ああっ…だめ…み、見られてるのに…、撮られてるのに…）

そんな思いとは裏腹に、股間がどんどん熱くなるのを美知は止めることができなかった。

「あっ……、は……はうん…っ…」

愛液に濡れた肉びらをこね回しつつ、クリトリスを包んだ皮ごと指先で激しく掻き撫でる。
陰部に甘い疼きがどんどんと膨らんで、美知は思わず浅ましい喘ぎ声を漏らしてしまう。

「おう。こりぁ大きなクリトリスだな。皮の上からでもハッキリとそれが解る。」
「ああ、かなりいい感じになってきたんじゃないか。いい頃合いだろ。」
「さぁ　婦警さんよ、ほらっ、そろそろクリトリスの皮…剥いてみせろよ。」

男達に声を掛けられて、はっとした美知は少しだけ冷静さを取り戻した。

（ああっ…わたし…なんてことを……）

こんな男達に見られながら痴態をさらしてしまっていることを自覚して、顔が燃えるように熱くなる。
死にたい程に恥ずかしいのに…けれど止めるわけには…従わないわけにはいかないのだ。
男に促されるがままに、美知は二本の指でクリトリスの皮を挟むようにしてゆっくりとめくってみた。

「…あ…いっ…」

剥かれた事のないクリトリスが外気に曝される初めての感覚に美知は小さな悲鳴をあげた。
指先に直接ふれた大粒の剥きだしのクリトリスの感触がビリリと響き、慌ててそこから指を離した。
剥きだされたクリトリスの頭がアップで映し出され、その大きさに男達も驚いた。
綺麗な花びらの中で包皮に隠されていた美女の秘宝に男達は感激し生唾を飲みこんだ。

「おいおい。こりゃ…でかいクリトリス持ってんじゃないか。」
「ああ、凄い。まあ、こんなでかいもの、初めて剥いたんじゃ刺激が強すぎたか。」
「この姉ちゃんのオナニー。いつもは皮に包んだままで扱いてるようだしな。」
「なら…、今度はもっと気持よくなるように、指を…中まで入れな。」
「そうだな。指入れな。そんならいつもやってんだろ、今度は中で感じてみろよ。」

美知は男達が浴びせる言葉に全身を真っ赤に染めながら言われるがままに頷くしかない。
今度は指に溢れている粘液を塗りつけてから、遠慮がちに膣口にゆっくりと沈めた。

「…あ…はんっ…はああっ…ん…」

甘美な感覚に喘ぎ声をあげた美知は、少しだけ指を入れると、浅い部分だけで指を出し入れする。
激しい快感に自分がこれ以上乱れていってしまうのが怖かったのである。
しかし裏腹に、体の方はその刺激では満足せずに更に欲望の高まりが湧き上がってくるのだ。

もう少し深く指を入れたい。
もっともっと奥まで入れて思いっきり掻き回せばどんなに気持ち良いだろうか。
もう、美知の肉体はそんな欲求でいっぱいになっている。

「女学生のオナニーじゃないんだから、もっと奥まで入れろよ」
「遠慮すんなよ。もっと激しくやってみせろ。」
「そうだそうだ。見ている方をちゃんと楽しませろよな。」

「…は…はいっ…」

男達のヤジに押されるように、美知は指を深く沈めていった。
ゆっくりとそして次第に大きく指を出し入れし始めた。
恥ずかしい粘液が溢れ返り、クチュクチュと卑猥な音が鳴った。
熱を帯びた膣壁はネットリと指に絡みつくように収縮し、ヒクヒクと刺激に反応する。
たまらない快感に翻弄され、腰はクネクネと淫猥な動きを繰り返す。

「はうっ……ふあん…っ、…んっ…ああっ」

腰が砕けそうになってどんなに気持ち良くなっても、恥ずかしさが無くなる訳ではない。
しかし、それよりも甘美な快感の熱に押し流されていく自分が恨めしかった。
そして、その熱が更なる刺激を求めていく。
美知は、包皮に包まれたクリトリスと膣内との前と後ろの指を、同時に激しく動かした。

「あ、あ、あ、ああっ……ぁああっ……」

いつもの自慰で、身体に馴染んだその二か所からの刺激が美知の全身を突き抜けた。
しかし、その快感はひとりで行ういつものものとは明らかに違っていた。
ありえない場所、男達の視線、カメラのレンズ。
そんな状況での自慰行為に、美知は経験したことがないほど激しく昂ぶってしまっていた。

身体全体が肉欲の固まりになってしまったかのように、ピクリピクリと頻繁に腰が跳ね回った。
子宮に熱が篭もり、そこから快感が高まりウズウズとうづいてくる。

「うああっ……ひ…ああんっ……」

男達に見られているのに、撮られているのが分かっているのに、はしたなく身悶えしてしまう。
股間に痺れるような熱い押し寄せる快感に翻弄され、昂揚感が駆け上がり、頭が真っ白になった…

「はあああんっ！　も、もう……もうっ……ぁあああああぁっ」

ほどなく、室内に響くような喘ぎ声と共に、美知は絶頂に達した。
すうっと全身から力が抜けていき、美知は崩れ落ちるように突っ伏した。
絶頂の余韻が全身を巡っているせいなのか、美知はそのまま…しばらくは動けなかった。

（恥辱の麗人　第四章　おわり　　〜第五章へつづく〜）


〜2016年1月2日〜