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ひろひろさんのページ
美佐子は内閣府のキャリアである。
内閣府に所属している警察庁で特殊凶悪犯罪の捜査にあたっていた。 あの「麗人ヒロイン」…桂子は美佐子と同い年の同僚であった。 美佐子も桂子に劣らぬほど頭脳明晰な上に、 Ｆカップはあろうかと思われる胸の大きさが目を引く、容姿端麗な麗人なのだ。 ----------------------------------------------------------------- 第三章 貧乳仮面 登場 ----------------------------------------------------------------- 今日も美佐子は戦っていた…。 あの日以降はしばらくなりを潜めていた敵組織が、このところ頻繁に活動しはじめたのだ。 連日のように戦いを仕掛けてくる敵を相手に奔走していた。
「変身！！」
人知れず胸のペンダントに内臓された特殊装置に向かって美佐子が唱える時、それは瞬時に美佐子の全身を覆うのだ。 身体能力の向上と物質転送による、そう…「変身」である 「麗人仮面。今日も頼むぞ！！」 麗人仮面が現れるたびに人々が歓声を上げる。 襲い掛かる敵の戦闘員をいつものように次々となぎ倒していく。 もうおなじみのその姿に人々はすっかり夢中であった。 しかし、このところの戦闘は美佐子にとっては綱渡りであった。 なんとか使命を果たせてはいたものの… ファーストチェンジ、そしてセカンドチェンジで与えられた時間でやり遂げるのは至難の業だった。 「何か…おかしい…」 美佐子はこの日の戦いに、初めからなにか不穏な空気を感じていた。 敵の戦闘員達の行動が、どこかいつもと違うのだ。 ひたいの輝きが、点滅しはじめた… ファーストチェンジの戦闘可能な時間が残り３０秒となった事を告げる合図である。 今日の戦いは、いつも以上に無駄に長引いているような…
「セカンドチェンジ！！」
内臓された特殊装置に向かって美佐子が唱える時、それは瞬時に美佐子の全身を覆うのだ。 戦闘用スーツへのエナジーの放出をおさえて戦闘を継続するための…「セカンドチェンジ」である (このままでは…まずいわ) (早く…終わらせなければ…) なんとしても…、セカンドチェンジで戦闘を終わらせなければ…。 (これ以上は…サードチェンジだけは…いやよ…だめっ…) そんな…、美佐子の焦りを感知したかのように、敵の戦闘員達は受け身の体制へと陣形を変えていく。 ここのところの、麗人仮面の戦いを敵の司令部は詳細に分析していたのだ。 セカンドチェンジでのひたいの輝き…、その点滅とともに麗人仮面は姿を消してしまう。 ならば…麗人仮面のいなくなったその状況で、戦いを優位に続けたいと考えるのは至極当然であった。 さらには、戦いを長引かせる事で、麗人仮面になにか不祥の事態がおこるのではないか…と。 「麗人ヒロインの戦闘可能時間は３０分だった。麗人仮面にもかならず、何かが…あるはずだ。」 麗人ヒロインとも長きにわたって戦いつづけている敵組織の首領はそう考えていた。 今日の戦いにあたっては、敵戦闘員達は事前にそんな指令を受けていたのだ。 (ああ、だめよ。これじゃきりがないわ…) 美佐子にとって、それは最悪の事態であった。 攻撃を仕掛けては離れる、そんな敵の戦術に、どんどんと戦いは長引いていく… そしてついに… 「おい、麗人仮面のひたいの輝きが、また点滅しはじめたぞ！」 人々がまた、叫んだ。 美佐子が最も恐れていた事態が訪れたのだ。 セカンドチェンジでの戦闘可能な時間が残り３０秒となった事を告げる合図である。 しかし…このような状況下、戦いの真っただ中で戦線を離脱することなどとてもできはしない。 それはただちに、政府軍の敗北を意味するからだ。 …美佐子には迷っている時間などなかった (もうだめ…限界よ…。仕方ないんだ…わ…。ええ、そうよ…麗人仮面が誰なのか…誰も知らない……) 何かを吹っ切るように…、美佐子は、封印していた禁断の言葉を唱えた………
「サードチェンジ！！」
内臓された特殊装置に向かって美佐子が唱える時、それは瞬時に美佐子の全身を覆うのだ。 戦闘用スーツへのエナジーの放出を究極的におさえて戦闘を継続するための…「サードチェンジ」である。 
それはまさに究極的な最終形態であった。 「！！」 敵も味方も…戦いの様子を見ていた全ての人々が、そのあまりの衝撃に声を失った。 戦闘用スーツへと供給されるエナジーを最小限に抑えること… そのことによって身体能力の向上の為に必要な強力なエナジーを長時間にわたって使う事ができるのだ。 全裸に近い…この姿で戦うことが、不完全変身ヒロインとしての最終形態、サードチェンジの宿命なのだ。 
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− その日の戦いは、政府軍の勝利に終わった。 美佐子はサードチェンジでの戦いを続けたのだ。 (…もう…いやっ………、ああぁ……、恥ずか…しい。) 長い戦いを終え、政府軍の勝利に歓喜する人々…しかし、美佐子の気持ちはどん底まで沈んでいた…。 麗人仮面は不完全変身ヒロインである。 これからの…、今日のように長引く戦闘を戦い抜くには… サードチェンジで戦いぬくしかないのである。 そんな美佐子が抱える…最大の悩みは、そう…貧乳なのである。 こんな惨めな貧乳だけは誰にも見られたくなかった。 普段はそのペチャパイを巨大なパットでごまかしていた。 その上…、胸は膨らまないのになぜか乳首だけは大きく成長してしまっているのだ。 一方、麗人仮面の活躍に熱狂していた人々にとっても衝撃的で、大きな驚きであった。 マスコミが政府の危機を救ったこんなエロチックなビジュアルのヒロインを放っておくわけがない。 もちろん、麗人仮面が戦う様子は一部始終が放映されていたし、その日の出来事は大々的なスクープとして報じられた。 ファーストチェンジ、セカンドチェンジ、そして…サードチェンジと。 その様子がまたしても専門家と称する人々によって詳細に解説され、広まっていく。 全裸に近い姿で裸の上半身を自ら曝して戦うエロチックなヒロインを、マスコミはもう「麗人仮面」とは呼ばなかった。 曝された意外な程に大粒な左右の乳首から、その正体が桂子ではない事もすでに明らかになった。 正体不明の不完全変身ヒロイン… 「貧乳仮面」 それがマスコミによってつけられた新らしい呼び名であった。 「貧乳仮面 登場」 正体不明のエロチックなヒロインのニュースは世の中を駆け巡り…美佐子を羞恥の嵐へと陥れた。 サードチェンジでの戦いは美佐子にとっては地獄だった。 一番見られたく無い部分を世間中に曝して こんな恥ずかしい姿を人々に見せなければならないなんて…。 （それにしても…貧乳仮面だなんて、あんまり…よ…） （私がどんな気持ちで戦っているのか…人の気も知らないで…） 美佐子をコンプレックスで奈落の底まで突き落とすようなマスコミの仕打ちのようにさえ思えた。 …しかし、すでに美佐子の戦いは始まってしまっているのだ。 （貧乳仮面が誰なのか…それを知っているのは…あぁ…恥ずかしい…けど、博士だけ…） （絶対に、他の人にその正体を知られるわけにはいかない…。も…もし、知られたら、もう…） こうなったら正体を隠したまま、開き直って貧乳仮面として全力で戦うしかない…。 けれど…貧乳仮面が誰なのか…それだけは、この秘密だけは絶対に守りぬかなければ…。 美佐子はそう心に固く誓うのだ。 |
