特殊装置に向かって美佐子が唱える時、それは瞬時に美佐子の全身から消えるのだ。
身体能力の向上と物質転送による「変身」…その解除である。

変身を解除した美佐子は、特殊凶悪犯罪対策チームの中へと…人知れず身を隠すのだ…。


双方の組織にとって…この戦いの戦況は、というと…
全てを捧げて戦う美佐子の活躍によって敵組織は弱体し、政府軍の勝利は目前かと思われた。
最大の理由は、敵首領が考えていた思惑とは少し違ったからだ。
それはサードチェンジで戦う貧乳仮面の戦闘可能時間が予想以上に長いようだという事である。
しかし…、政府軍のほうでも長引く戦闘で消耗が激しく、これ以上戦いを継続することが困難になってきていた。


一方、この間、世間では不穏な事件が続いていた。
美佐子の周辺、警察庁内を中心に女性の失踪事件がつづいていたのだ。
微乳、貧乳と思われるような比較的胸の小さな女性ばかりが…行方不明になっている。
なりふり構わず、貧乳仮面の正体探しをはじめた敵組織の仕業なのではないか…と女性達は怯えていた。

いずれにしても、どちらもこれ以上戦いを続ける事が困難であるのは間違いなかった。
いよいよ、雌雄を決するときが近づいていたといえる。

「胸の小さな女性ばかりを狙うなんて許せない…。なんとしても、私の手で…決着をつける…」
幸いにも普段から巨乳を装っている美佐子は、敵組織に狙われる事はなかったが…
自分の身代わりのように、姿を消していってしまう女性達の身を案じていた。
自分が世間を騙し続けているようになっているのが辛かった。
だからこそよけいに、美佐子にはその不穏な事件が許せないのだ。

いくら顔を隠しているとはいえ、全裸に近い姿で戦いつづけている美佐子にとっての意地でもあった。
誰にも見られたくない惨めな貧乳、そんな一番見られたく無い部分まで…、
そんな恥ずかしい姿を人前に曝してまで戦っているのだから。
絶対に負けられないと誓う美佐子…負けることは、すなわち貧乳仮面の正体を曝すことにもなるのだから…。